インフルエンザ

我が家の子供達、5人中、4人がインフルエンザに感染。両親入れて、7人中4人の確立。約60%の確立なら、まだいい方だが。(いつもは私も感染する)小学生の2人はリレンザを処方され、1年生はタミフル2.3gを処方された。と、休日の月曜日の朝方、4時半くらいに、末っ子が変な寝言らしき声を発している。
「おかあしゃん・・・おかあしゃん・・・」
なんだろうと思い、手を握ると、ひどく熱いではないか。妻を起こし、熱を測ると39.9度。急いで氷で冷やすと同時に、ついに4人目かと、がっかり。3人なったのだから末っ子にも移るだろうとは思っていたものの、切り抜けられればいいなと、持っていた淡い期待は一瞬にして消えた。
あまりに高熱でぐったりしているので、ひとまず解熱剤をお尻から挿入。
少し良くなってきたかというところで、ヨーグルトやメロンパンを少し食べさせた。
と、しばらくすると、またぐったりし始めた。熱を測ると、41度。
こらあかんと、すぐに救急へ。電話をいれて出発する。到着すると、ものすごい混雑。待合室では、キャッキャと遊ぶ小学生達がウヨウヨ。
(おいおい〜、ここは救急やで〜)
どう見ても救急患者とは思えない子供達が、待合室ではしゃぐ。
ぐったりしている末っ子を見ながら、この違いはなんやねんと腹ただしい気持ちをぐっとこらえる。1時間半ほどじっと待ち、やっと診察室へ。
医者の先生は親切で丁寧な診察をしてくれた。兄弟のインフルエンザなどの状況から見ても、ほぼ間違いないですね・・・と、とにかくタミフルを出しましょうと薬を処方しようと、お医者様。
そこへ看護婦さんが現れ、一枚の紙切れを先生に見せる。
字が大きくて、私にも思いっきり読める。
タミフルが1日分しかありません」
あ。
あら。
ないの。
まいったなこりゃ〜。
隣の診察室で、小学生の子を連れてきた父親が、
「一日分でもないんですか!!子供がこんな状態で、かなわんですわ〜!!せんせ〜、1日分でも薬だしてやってや〜」
と、大声で、しかも涙声で懸命に訴えている。

固まるこっちの診察室。先生と、私と、妻と、看護婦さんがうつむいたまま、なんと切り出そうか、緊迫の一瞬だ。

「先生、うちはいいですよ。あちらへまわしてあげてください。けど、解熱剤だけ処方していただけませんか?明日、主治医の所に行くまで、しのげればいいですから」
と、伝えた。

申し訳なさそうに頭を下げる看護婦さん。先生も、すみませんねお父さん、大人用のタミフルも、なくなってしまって・・・と下を向く。
妻もまったく異存もなく、そうと決まったら、一刻も早くうちへ帰ろうと、立ち上がる。
解熱剤をもらって会計をする間、妻と末っ子は車で待機。私は会計をすませ、帰ろうとした時、看護婦さんが表れた。
「住吉さん、本当にすみません」
わざわざそれを伝えに来てくれた。「いいえ、看護婦さんが悪いわけじゃないじゃないですか、こちらこそ、お忙しいのにお気遣いありがとうございます〜」と言って、待合室を一度振り返った。なぜ救急に来ているのかどうしてもわからないような小学生が、ゲームしたり、廊下を走ったりしている。
親もいるのだろうに。
しかし、その子たちの状況や症状もわからないので、事情を知らないで軽はずみな事は言えないが、なんとなく捨てきれない違和感と、やるせない気持ちで救急病院を後にした。

こんな災害の時だから、もう少し日本人、考えた方がいいよね。薬だって、緊急で被災地に運んだ可能性だってあるんだから。十分な医療体制がない体育館で、インフルエンザが流行っている避難所も多くなっている。
自分達にできること・・・。今日は静かに遠慮しよう。末っ子には悪いけど、お父さんが一日中、氷で冷やして看病してあげるから。
そんな気持ちで車に乗り込んだ。
帰り道、スーパーに寄って、プリン、ゼリー、ヨーグルト、クリームパン、メロンパン、うどん・・・。熱が下がった瞬間に、何か食べられそうな物を買い込む。ひとつづつだけ・・・。
それでも普段はそう簡単に食べさせるわけじゃないデザートの数々。

経費かかるなあ〜・・・・・ちょっと気合が入らないけど・・・・。