わかっていたはず

自民党の谷垣総裁が、安部元総理や森元総理から、大連立の可能性を排除しないようアドバイスされたとのこと。しかし福田元総理や麻生元総理からは、管内閣の延命に繋がるからと慎重に考えるべきとも言われているとのこと。こうしてみると、この期に及んで政局のことが頭から離れない政治家と、党利を越えて大義に努めるべきという政治家の心理が見える気がする。
壊滅的被災に見舞われている地域があり、原発は大事故寸前、電力不足で東日本の経済と生活は不安要素がいっぱい。それでも一緒にやれないほどの何かがあるのが政治の世界なのだろうか。政策の違いがあるから連立は組めないって言ったって、どれほどの違いだと言うのだろう。なんだか、そもそもそれほど違いなんてない気がする。根本的には、各党の目的は、国民の幸せを守る、想像するという、大義は同じなんじゃなかったか。方法が違うだけだ。もっと近づけるんじゃないだろうか。
最近やっと世間で、政治家は今何をやってるんだという意見が出始めた。政治家だって別に遊んでるわけじゃないだろうし、こうしている間にも審議はあるだろうし、特別立法の審議もあるんだろう。それはぜひ急いでもらいたいが、問題は野党の姿勢だ。残念な事に、日本の政治家(どこの国も同じか?)は、「心意気」というものがないんじゃないだろうか。党利や党略を横に置いて、現実を直視してほしい。3月11日から、日本は時代が変ったのだ。特に政治について、大きくすべての価値観をシフトすべき時に来ていないだろうか。沿岸部の捜索には米軍が大きな協力をしてくれているし、世界各国の貧しい子供たちまで、自分の食事を一食抜いて、寄付をしているくらいなのだ。
政治がそもそも何のためにあるのか。いい政策を考える為じゃないし、政権をとる為でもない。その国の国民の幸せの創造の為なはず。
原発の問題は、結局一番の責任は、それを推進してきた政府与党にある。しかもその根本的な問題は、長い間政権を担ってきた、汚職自民党にある。さらに、原子力保安院なる者達は、記者会見の場においても、「○○○と聞いている」とか、「○○○と報告を受けている」などど、保安院たる名が廃れる如く、すべてを東京電力の責任に擦り付けている。もちろん絶対安全などとのたうち回った東電は責任重大だ。

けれど、今まで原子力政策を推進してきた、自民党の老兵さん達よ、そして、内閣府の「原子力委員会」のメンバー達よ、さらに、「原子力安全委員会」のメンバー、「原子力保安院」の官僚どもよ、最後に東京電力とそこに群がる利権団体に聞きたい。
あんたら、本当はわかってたんだろ?原発が絶対安全なんかじゃないことも、福島第一原発が決して地震に強くなんかないことも、今も稼動中の日本の原子力発電所が危険な建築基準でしかないことも、東海地域の浜岡原子力発電所が、もろに予測震源地に建っているにもかかわらず、恐ろしいほどに耐震強度が低い事も。「想定外」って言葉を使うってことは、想定外の自然災害があれば、原子炉に亀裂が入ったり、壊れたりして、燃料棒だって溶融して、メルトダウンするって、わかっていたんだろう?そもそもあなた達が想定していた自然災害って、どんな程度だったんだ?

あいつら、絶対にわかっていたはずだ。だって、今なら私だってわかるほど、簡単な事なんだから。利権が絡んで、複雑に縺れて、抜け出せなかったんだろう?反対などと言い出せば、おいしい汁を失って、今の大盤振る舞いな生活が消えるのが怖かったんだろう?
技術大国っていう神話に溺れ、フランスの技術にだって実は追いついていなかったじゃないか。なぜロボット技術大国の日本が、アメリカにロボット借りて操作をいまさら勉強してるの?現場で必死に働いている社員に、今からロボット操作教えて、しかもそのロボットがアメリカ製。日本の原子力政策には、危険に対する「予防と対策」という基本的なリスクマネジメントが、ほぼ存在していなかったと言う事じゃないか。

こうしてもう、過去の自民党を責めても、そこに投票してきたのは国民だったし、政治家や保安院や、東電の言う事を鵜呑みにして、助成金ほしさに原発を誘致した各市町村。そこに投票したのも国民だったし、原発の恩恵で、雇用が促進され、地域経済に貢献したのも事実。そして、国民全員、この電力を謳歌してきた。
課題は大きいなあと思う。これからは政党の政権争いに関心を持つことより、原発政策や、特別立法や、細かい税金の使い方、増税、など、今まで政治好きばかりの議論対称だった事も、一般の私のような愚民が、しっかり関心を持たなきゃいけない。そうやって、みんなが力をつけていかなきゃ。より良い政治と国は、結局国民が作るのだ。そうやって未来を築かなければ、災害で犠牲になった方々が犬死になってしまう。家族を失い独りぼっちになってしまった子供が、たくましく生き抜く価値のある社会を創造しなければ。そういう倫理観を以って、子供達を育てなければ。そして社会貢献を第一にして、経済活動をしなければならない。個人の利益を幸せの為だけの経済は、一見派手に見えるが、結局泡と消える物だと思う。
我社も、公共工事の停止などもあって、業績に影響が出るだろう。私の事業から率先して、会社を盛り上げられるよう、がんばろうと思う。