国民の選択

ここ10年以上、日本の総理大臣が新しくなる度に、支持率が一度、ド〜ンと上がる。そしてどんどん下がる。下がって下がって、最後はウンコマスコミとウンコ政治家達が挙って引き摺り下ろしにかかる。

で、退陣する。

小泉さんは言葉が上手かった。マスコミに踊らされず、逆にマスコミを躍らせた。

野田総理も、すでに政権ピンチに陥っている。小沢さんの陸山会の問題だ。
さらに、復興税という、結局国民からの徴収という方法しかとらない政府、野田総理に、国民はやっぱり期待外れの感があるのだろう。
だって、公務員の給料を2割カットして、年間1兆円の予算削減になると、マニュフェストで言っていたから。そもそもその約束で国民から政権もらったんだし。

ただ、ちなみに私は、公務員の給料を一律2割カットするなんて大反対だ。55歳以上の公務員の給料を4割カットし、賞与を7割カットし、20代、30代、40代の給料は据え置き、賞与だけ半減させるという手立てならまだわかるが、公務員の給料を減らすのは、本当はいただけないと思う。
ま、民主党も言ってはみたものの、やっぱかわいそうだと気がついたのだろう。

しかし、どうして政権を持つとみんな約束を破るのか。その理由は霞ヶ関の保身と既得権を守りたい官僚にある。政権を持ち、大臣になると、官僚を使わないと仕事が出来ない。官僚が仕事をしないと、大臣のしたいことは進まない。だから大臣は官僚に媚を売ってしまう。そしてそうやって行くうちに、官僚に意識や理念までも取りこまれてしまう。
政治家に魅力がないからだろう。
政治家の存在に、官僚たちが科学反応しない。それは情熱が政治家に足りないのだろうし、夢や希望を、この国の政治に見出せないまま、官僚が仕事をしているからだと思う。
官僚達が、目先の小さな利益や利権にしがみつき、税金をより多く簡単に徴収し、仕事を楽にやろうとしてしまうのは、政治家が語る国の将来の姿に、夢も希望も感じられないからだ。

民間の企業でも、仕事をやる上でかかる経費というものがある。これを使いたい放題に使って、気にせず、伸び伸びと好きにやれば、売上だけはどんどん上げられる。外から見ると、一見、どんどん業績が上がっているように見えるが、実は内部で経費倒れする。
簡単な話だ。売上より、原価の方が多くなっていると言う事。
この国の税の使い方も同じであり、官僚が使いたい予算の総額が、国民から集めまくっている税金より35%以上も多いのだ。毎年毎年。その為に国債を発行して借金をしている。その借金がどんどん膨れ、金利金利を生み、すでに取り返しが付かないほどの金額になっているように脅される。特に国の借金についてはマスコミが脅している。
けれど、国債を買っているのが日本人だけじゃないから実はそこそこ厄介なのだ。
日本人だけが国債を買っていれば、所詮、その国債の購入資金が税金みたいなものに化けているのと同じで、一斉に国債を手放さないだろうという前提であれば国が破綻する事もないだろう。

国民は、税金を納めつつ、国のサービスも謳歌している。私たちのようなサラリーマンの収めている税金は、所得税の70%以上に登っているから、日本はサラリーマンによって支えられているのだ。
そしてそのサラリーマンの働く世代が、あまりサービスの恩恵を受けていない。
国の社会保障のほとんどは、圧倒的な金持ちによって支えられているわけではなく、苦しい苦しいと言いながら生活し、会社でこき使われ、自分の人生を会社のために切り売りしているサラリーマンが、実は官僚の給料と政治家の給料と、社会保障のほとんどを支えているのだ。

だから国民は夢を見ない。国民の大多数がサラリーマンで、少ない給料から毎月毎月多額の税金を聴取され、それでも何も変らない政治に、完全に慣れちゃった。だから何も夢を見ない。どうせ自分の人生なんてこんなものだったんだ・・・・・。と夢も希望も捨てる事を覚えた。時に日本の会社組織というのは、個性や個人の希望や夢を、ことごとく否定する教育を長い間行う。勤めている期間が長ければ長いほど、もうその洗脳は解けない。
要は、デモクラシーが起きないのも、文句は言っても諦めているのも実は国民で、政治をこんな風にしているのも、こんな政治家を受け入れているのも、国民の選択なのだ。そしてその70%以上がサラリーマン家庭である。