偽装

後だしジャンケンみたいに思われるかもしれないが、本当の事だから書こうと思う。

今、世の中では、食の偽装問題が次々と露呈し、特に【海老】の表示、表現方法に偽りがあったことが取りざたされている。

コース料理で1万、2万とする料理など、過去ほとんど食べたことがないが、それでも何度かそのような高級料理、料亭の食事にありついたこともある。
もちろん不味いと思ったことはないが、実際のところ、『すげえうめえ!』と思ったこともないのが正直な気持ち。



ただ、ホテルのランチバイキングやディナーバイキングなど、一定レベルのホテルビュッフェは何度もある。
そこでは和洋折衷、あらゆる料理が並ぶが、昨今の目玉でよく見るのは【国産牛ステーキ食べ放題】の文字。

実際何度か頂いたことがある。

妻と一緒に料理を皿に取り、二人で顔を見合わせながらその牛ステーキを口にする。

すぐにわかるのは国産じゃないって事だ。

アメリカ産輸入牛肉は独特の臭みがある。

肉の臭みは、その肉牛が何を食べて育ったかによるらしいが、詳しいことはわからない。

しかし、レストランであろうと、スーパーで買ったものであろうと、アメリカ産牛肉は臭みがある。

良心的な店は、国産ともアメリカ産とも表示しない。

ただ、牛ステーキとか、やわらかステーキとか、ヤングステーキとか、そんな風に書いている。

ステーキは専門店の方が偽装表示しない。

ホテルはもともと表示が大げさな傾向があって、ビュッフェスタイルのレストランで使用されている食材は、いわばほとんどあてにならないとは知っていたつもりだ。



食べてすぐにわかるから。




海老とて同じである。



車えびと書いてあっても、絶対に違うことはわかっていた。

ただ、しば海老だけは良くわからん。


車えびは、ブラックタイガーのように大きく肉厚ではない。
サイズが違うからすぐにわかる。

ただ、ボイルすると赤海老との違いがほとんどわからない。






最近妻が発見したのは、アメリカ産の肩ロースを、筋を取って、時間をかけてゆっくり焼き上げると、国産フィレ肉のようになるということだ。

ただ匂いだけはなかなか消えない。

輸入牛肉の独特の臭みはそう簡単には消せない。






でも、みんななんとなくわかっていたんじゃないかなって気がする。

とくにホテルのベッフェスタイルでは、朝食のスクランブルエッグや、玉子焼きなど、随分やっすいタマゴ使ってるんだろうなあと、食べるたびに感じていたし、大根おろしやちりめんじゃこ、ハム、シャケなど、上質の食材でない事は重々承知だったのではないだろうか。

どう?そんなことない??


町の中華料理屋さんで、家族でやっているような昔馴染みの店で、シバ海老のチリソースと書いてあって、実際はシバ海老じゃないって言っても、庶民的な価格で、町のみんなに愛されている店だったら、変な名前の海老の呼び名をつけるより、シバ海老って書いてあったほうが美味そうだけど、5,000円くらい取るベッフェや、万とするコースで偽装するのなら、これは詐欺行為だという気もする。

提示している価格帯で偽装か偽装ではないかが、多少左右されているのが庶民の意識じゃないかな。