テロリズム
ウサマ・ビンラディン氏が、アメリカ軍によって殺害されたという報道を目にした。本当なのだろうか。
９：１１以来、「テロとの戦い」という、テロリズムの悪を徹底的にプロパガンダしてきたアメリカ。
日本も、小泉首相が、テロとの戦いと言って、アメリカのアフガン攻撃を支持した。アルカイダ掃討作戦として、タリバンを始め、アフガンの戦士をテロリズムに完全になぞらえ、ついでに民間人をどれだけ虐殺したのだろうか。
アメリカの貿易センタービルの衝撃は、私も今でも忘れない。あそこには、多くの日本人もいたのだ。普通の民間人が、3000人犠牲となった。
アメリカという国は、国の本土を攻撃された事のない国だ。
こともあろうか、貿易センタービルを「グラウンド・ゼロ」などとのたうつ。グラウンド・ゼロと言う言葉は、爆心地のことであり、大東亜戦争で広島と長崎の事を指した英語である。
アメリカ人の多くは、９：１１をテロの攻撃と言い、アメリカが被害者であるという前提でしか考えない。９：１１でアメリカが被害を受けたのは事実だ。
被害者も多くいる。辛い事だ。
しかし、アメリカ人は、広島と長崎へのアメリカ政府による原爆投下で、長崎７万４千人、広島９万人の民間人を虐殺した事をほとんどの人が知らない。
日本人も正確な被害者の人数までは知らない人が多いだろう。
それは戦後、ＧＨＱによって、アメリカは正義で、昔の日本が悪いと、アメリカによるプロパガンダ政策に染められ、間違った教育を受けさせられたからである。原子爆弾の犠牲者は、その後も数十年間増え続けたのにも関わらずだ。
ちなみに、先のイラクにおける軍事介入でも、アメリカ軍の攻撃によって、イラクの民間人が８万人犠牲になった。
貿易センタービルの被害者数と、単純比較する問題ではない。
しかし、アメリカという国は、世界で優一核を使用し、東京大空襲で１６万トンの爆弾を落とされた犠牲者などを合わせれば、４０万人近くの日本人を虐殺し、さらに、貿易センタービルを、自分達の犯した核爆弾投下の「グラウンド・ゼロ」という名で呼び、仕返しとばかりにアフガンの民間人を２千人虐殺した。
アメリカと比較すれば、圧倒的に軍事力の弱い国で、子供や妻、家族をアメリカ軍の攻撃によって殺された男達が、どれだけいるのだろうか。
怒りのやり場のない男たち。
なんの罪のない我が子をアメリカ軍の爆弾投下やミサイルで失い、米兵の勘違いによって「ヒュン！」という弾の音と共に、一瞬にして倒れ命を落とす妻や家族。
彼らがアメリカという国を憎み、恨むのは当然である。
自国の軍事力では対抗できない政府に愛想を尽かし、テロリズムと呼ばれる集団が形成されていく。恨みが恨みを呼び、戦いの歴史となるのだ。
一言で「テロ」と呼び、すべて「悪」と言うには、このアメリカ発、アメリカ着の虐殺の歴史を、実は真摯にアメリカ自身が反省する事から始めなければ、本当の意味でテロリズムと呼ばれる「アメリカへの仕返し」は終わらないのではないだろうか。
世界最高の軍事力のある国なのだ。
いわば一番軍事力を使ってはいけない国と言えやしないだろうか。
外交が奇麗事じゃないのはわかるつもりだが、かといって、いつもいつも、どこでも戦争しかけて、また今日もどこかで（リビア）人を殺している。
イラクもアフガニスタンも、結局治安が悪化し、結局今も犠牲者が増え続けている。
もう、何が正しくて、誰が正義なのか、まったくわからない。
日本だってイラク戦争もアフガン戦争も政府は支持して、大金をアメリカに吸い取られ、きっとアラブからは恨まれているはずだ。
日本はアメリカに、「いやいやもう戦争で人を殺すのはやめたら〜？」って言わなきゃいけないんじゃないだろうか。
「いやいやゆうてもあんたら、日本に核落として、好き放題やってきたんだから、もう十分やろがい！」
って言うべきなんじゃないだろうか。
オバマ大統領のコメント、大統領命令でビンラディン殺害して、
「正義は果たされた」
とかいって、ワシントンは歓喜の声だって。
エエ加減にせえよ。
私はこの恨みの連鎖に、この国が巻き込まれないことを祈る。
アメリカがいつも撒いている、戦いの連鎖と犠牲者増加活動に、この国が加担しないことを祈る。
世界がそんなに簡単に平和になんかならないことだってわかってる。けれど、平和な状態を維持する為には、もう少しアメリカが学べ。
しかし、アメリカ軍、東北の支援は心から感謝します。どこの国よりも多くの兵士を送り込み、多大な貢献を果たしてくれている事に、感謝する。
本当に情けないのは、１０人くらい救助隊よこしたのはいいが、ほとんどの自衛隊員が東北に展開しているのをいいことに、尖閣諸島に戦闘機や戦艦を、国境を越えて入ってきてみるような真似をする中国政府。
ロシアは国後に爆撃機を展開させ、このような日本の事態の時に、アメリカと日本がどう対応するか確かめるという卑劣さ。
本当に人類とは・・・・・・。
