社長

今日、突然社長が私の事業部へ来た。
なんでも、大阪勤務の役員から、私の奥歯がひどいことになって、手術したと言う話を聞いて、行きたいと言い出したらしい。
私にとっては久しぶりに社長に会えるのは嬉しい限りだが、その為に支店の次長や支店長も、予定の変更、変更でパニックとのこと。
我社はオーナー会社だが、社長はオーナー家ではない。私はなぜか現社長とウマが合う。なぜか、私の事を非常に高く評価してくれ、重要な任務を与える。仕事の重さにはプレッシャーを感じることもあるが、これまでも社長は私に、非常に期待をかけてくれた。それは楽しい仕事となる。サラリーマンとしては、ある意味幸せなのかもしれない。
久しぶりの社長の第一声は、
「おお〜!大丈夫なのか?!歯は??」
だった。
「大丈夫ですよ。ご心配かけました」と答えると、
「おまえ、疲れだよ疲れ!!」
と言うので、
「いえいえ、そんなに仕事してませんよ」
というと、
「がははは。おまえ、普通、俺にそう言われたら、大変なフリするもんだろう?おまえだけだよ、大変じゃないって平気で言うのは・・・。」
といって、爆笑した。周りに居た次長や支店長も、そこでがんばっているってアピールするべきだろう〜って言って笑う。
けどすかさずこれだけは言っておいた。
「いえ社長、うちの部下が必死で仕事がんばってくれているから、私は本当に部下に恵まれて、ウンがいいんですよ!部下に楽させてもらってるんですよ〜」
と言った。すると、
「おまえ、浜松に居た当時も、いつも部下がいいからって言ってばっかりいたじゃないか!ま、そういうことだな。要はお前がいい男だってことだ!」
といって、褒められてしまった。
部下を褒めて欲しかったのに、失敗した。以前責任者として勤務していた浜松でも、いつも社長に会うと、陰で支えてくれている女性社員のことをまず最初に徹底的にアピールしていた。みんな社長と会う機会なんて、1年に一回あるかないか・・・だ。だから、会えた機会には、彼女達のがんばりを社長に認めさせたいという意識が強かった。当然、男性社員の部下達の事も、会社全体でも、こんな有能な部下は居ないってアピールしてきた。実際にそう思っていたから。
今回は、うまく社長に切り返されたが、それでも社長はわかってくれていると思う。ここ大阪の部下達も、一生懸命仕事してくれているってことを。そして、全員、素晴らしい社員達であるという事を。
次回会うときは、もう少し違う切り口で部下をアピールしてやろう。帰りがけ社長が、ゴルフ行かないか?と聞かれたので、土曜日にゴルフ行くと、妻がかわいそうじゃないですか〜と返事して、ゴルフの変わりにベッドで腰使いますからって言っておきました。
社長、「おまえ、かみさん相変わらず好きだなあ〜」と言って、帰って行きました。