神風

本当の事を言うと、今、日本は崖っぷち状態である。

昨年の3月11日に発生した東日本大震災によって被災した、福島第一原発の1号機から4号機。
そのうちの特に4号機は、実は恐ろしいほどの危機的状況の中で、ギリギリの状態なのだ。

被災当時、4号機は定期点検中で、原子炉は運転していなかった。
運転はしていないものの、原子炉の上部に設置されている冷却プールには、使用済み核燃料棒が冷やされている。
絶えず水を循環させて、プールの冷却水が高熱になり蒸発しないようにしているわけだ。
しかし被災の影響による水素爆発で、4号機の建屋は吹き飛んでしまった。
4号機の冷却プールには、ある書籍によると、原子炉に入る燃料棒の約2.8倍にもなる1535本の燃料棒が入っており、絶えず冷やされている。しかもそのうちの204本は、使用済みではなく、新品の燃料と言う事だ。
この燃料棒が冷やせなくなったら、恐ろしいシナリオが、日本の崩壊に向かってスタートするかもしれないのだ。

4号機の冷却プールは、現在震災による被災の影響で傾いており、倒壊の危機である。
東電はこれを緊急工事として、プールの下の階から、つっかえ棒をあてて、プールの底を下から支えている状態だ。
しかし、このプールの鉄筋コンクリートは、設計寿命20年をはるかに超えて、33年間も放射線を浴び続けている。
ちなみに、放射線を浴び続けたコンクリートは、まるでレンガのようになり、人の力で簡単に崩れるほどにもろくなるらしい。

さらに、事故当時、緊急の応急処置として、勇者達によって720トンの海水を注入した。この塩分によるコンクリートや鉄筋、循環冷却システムの配管などの腐食が深刻だ。後に、塩分除去装置を投入したが、完全には除去する事は出来ない。
さらに実は、震災後も、度重なる余震で、建屋にも、プールにも、配管にも、かなりのダメージが蓄積している。

実は今年の元旦。
震度4の余震の影響で、冷却プールの横にある排出された冷却水を一時溜めておくためのスキマサージタンクの水位が異常低下を起こし、一大事となるところであったことは、ほとんど知られていない。もう、マスコミもそろそろ電力会社との猿芝居を止め、今まで通りの電力会社の恩恵を享受する方向にシフトしている証拠だろう。もちろん政府もなるべく大事にならぬよう、冷や汗かきながらだんまりを決め込んでいる。
震度4でこれだ。
震度5の余震が来たらどうなるのだろう。震度5クラスなんていつ来てもおかしくないのに。


政府は『冷温停止』という言葉と、『事故収束宣言』なる犯罪的な『ウソ』を言い、国民と世界を騙し続けている。


これから4号機は、建屋内のクレーンを設置する為に、まず建屋を建て直ししなければならない。
そして建屋ないに大型のクレーンを取り付け、燃料プールの中のガレキを全部取り出したうえで、やっと燃料棒の搬出を行なう準備が出来る。しかし、その作業を始められる時期。これが恐ろしいほど先の事である。

来年12月。

その間に、つっかえ棒で支えられ、放射線で腐食が進んでいて、なお且つ、余震でダメージの深い燃料冷却プールに、亀裂が入ったりして水が抜けるような事があったら・・・・・。
プールが大丈夫でも、腐食の進んでいる冷却水循環システムの配管が余震でズレて、破損して漏れ出してしまったら・・・・・。


日本は1000%おしまいである。


燃料プールから却水が減り、核燃料棒の冷却が出来なくなると、核燃料は一気にメルトダウンを起こし始める。
そして1000℃を越えると火災となる。燃料棒の皮膜であるジルコニウムなるものが発火するのだ。
この火災は半端じゃない、猛烈な火災となる。
周りには破壊された建屋。この火災を遮断できるものは何もない。
この火災は水では消火できない。
水をかけると蒸発の過程でジルコニウムを酸化させ、ご存知、水素が発生し、大爆発を起こしてしまう。
そうなるともう、手がつけられない。
原子炉2個分の核燃料。
過去、世界中で行なわれた、すべての核実験で放出された総量に匹敵する放射性セシウムが一挙に大気中に飛び散っていく。


人類がまだ経験した事のない大災害が起こる。


もちろん福島第一原発はもう誰一人として近づけない。
そこにいるだけで一挙に被曝し、数分で死に至る。
作業員であろうと、東京電力の社員であろうと、全員強制退避だ。


こんな時こそ、震災当時、全閣僚の反対を押し切ってヘリで福島第一原発に乗り込んだ菅さんに、現地視察に「ひとりで」行ってもらうべきか。


原発から全員退避すると言う事は、現在必死に冷却している1号機2号機3号機も、放棄するということになる。
4号機が大爆発し大火災を起こし、セシウムを含む放射線を出し続けている横で、3号機や、2号機や1号機にも次々に発火し、四つの原子炉と、その数倍の、新旧核燃料棒が放射線となって、地球の気流に乗って東日本から北海道にかけて飛散され、日本の半分には人類は住めなくなる。
首都圏にも人は住めない。
東京は壊滅する。


しかし首都圏の人間と関東、東北の人間全員を、どこにどうやって避難させればいいのだろう。
そんな事態になったとき、先の震災の時のように、世界が賞賛した秩序ある行動を日本人が取れるだろうか。


それだけではない。
地球の北半球は、甚大な環境破壊を起こし、日本の世界に対する責任は、ジェラ期以来、最大の責任を負うことになるだろう。






これでもまだ、原発が必要だと言い続ける寝ぼけ学者がいる。
今この現在、原子炉はすべて停止しているのに、だれも電気に困っていない。
関西電力が他地域の電力会社に依存しているのは分かる。
確かに夏場のピークは足りなくなるかもしれない。
でも、私が子供の頃は、よく頻繁に停電したもんだ。
停電すればしたで、ろうそく使ったりしながら、別にどってことなかった。
製造関連の工場、産業工場は、民間企業として堂々と、停電対策を講ぜよ!
政治家よ。枝野よ。
あれだけ無責任なことしてきたのは東電とおまえら政治化なのだ。
にもかかわらず、原発稼動がなければ間違いなく電気料金は値上がりする!だなどと、とにかく負担は全て国民へという具合。








内容は割愛するが、4号機は、実は非常にたまたまの『運』によって、震災当時、冷却水によって持ち堪えたという偶然がある。

いつまでもこの国に『神風』はふかない。