命日

今日は私の師匠の命日です。


毎日色んな瞬間で思い出しているから、今日だけ特別な何かって事はないけど、でも、少し神妙な気持ちです。


もう11年。


早いものです。


私は逝く瞬間に立ち会えなかった。


だから、なんだかいまいち信じられない。


遺体は見たけれど、あれは先生じゃなかった。


今でもどこかで、どこかの子供に向かって、


「なんばしょっとか〜!」


なんて怒っていそう。


こええ〜〜〜〜〜。






私はもう二度と会うことはないけれど、


生前には物凄く濃厚な関係であったし、


ほとんど一緒だった気がするし、


何かあるとすぐに顔をつき合わせていたから、


本当は別にもう十分なはずなのに、


時々無性に会いたくなる。


あの人を思い出して涙が流れる。


会いたいと思い、


伝えたい事があるから、


空を見上げてみるけれど、


全然どこにいるかわかんないし。


しょうがないから昔の、


元気だった頃の姿を思い出して、


自分を納得させてみたりして。





私に人生を教えてくれ、


ちょっと付録みたいに水泳を教えてくれた人。


どうせ水泳なんか趣味なんだからと、


どうせ金なんか墓場まで持っていけねえんだからと、


得るべきものは人格だからと言って、


そう言って私を躾けた師匠。


あなたに育てられた私はもう44歳。


『米さんって何歳なんすか?』


と聞いた時、


『あん?44や』


と答えた米さんを覚えている。


俺、もうそんな歳かぁ〜〜。


やべえなあ〜・・・。


俺の44歳は、米さんの44歳と、


全然違う気がするなあ。


ちょうどこの頃がそのくらいだろうか。

なつかしい。


もう戻ってこない日々と米さん。


僕はその両方を失い、まったく新しい道を歩いています。