100万年の管理



日本は原発先進国であると、ずっと国民と世界を騙し続けてきた電力会社と自民党

本当はそんな技術は、今も昔も、日本にはない。

日本独自では原子力発電の開発製造は出来ないまま、アメリカやヨーロッパの原子力企業から、三菱・東芝・日立などの日本企業が技術を買い付け、そのコピーで日本中の原発を作ってきた。
だからトラブルに弱い。
原理を根本的に理解している技術者が決定的に不足している日本で、コピーされた商品を、どうして安全管理など出来ようか。

もんじゅ】や、【六ヶ所再処理工場】では、お粗末なトラブルと失敗が繰り返され、それぞれが完全に停止状態。
これまで【もんじゅ】につぎ込まれた金は一兆円。そして得た効果はゼロ。その経費はすべて電気料金に上乗せ。
世界一の電気料金の国に・・・・・。




何度も書いてきたが、原子力エネルギーの原料は、ウランである。
そのウランをを精製し、ウランの中から0.7%の割合で含まれるウラン235を取り出す。
その際に99.7%の割合で残る劣化ウランと呼ばれるウラン238と言う物質があるが、このウランは単独では中性子をぶつけても燃えない。
しかし、今までの原子力政策で、このウラン238という劣化ウランが異常に大量に生まれてきた。
この劣化ウランを何とかする為に考え出された技術が【高速増殖炉】という原発で、劣化ウランプルトニウムに融合させて臨界を起こし、ウラン238をプルトニウム239という物質に変える。
長崎に落された原爆はプルトニウム型で、このプルトニウムという物質は非常に燃焼効率が良い代わりに、暴走しやすい核物質であり、そもそも自然界に存在しない、人間が無理やり作り出した核物質であることから、水では制御できず、ナトリウムを使う。



しかしこの技術はアメリカもヨーロッパも基本的に撤退した。
日本の高速増殖炉もんじゅ】も1980年に実用化される予定だったものが、現在でも未だに稼動できていない。
そして現段階の予定では、2050年に高速増殖炉を動かすと言う目標となっている。
2050年ですよ。
最初の予定から70年伸びてしまった高速増殖炉
要するに・・・・・、

精製して残ったウランを、そのまま溜め込んでいたら大変な事になるって事に気がついた電力会社は、また一兆円かけてもんじゅ作って、残ったウランを燃やして発電しようとしたけれど、やっぱり出来ないってことに気づいて、とりあえず、2050年という今年から見ても38年後という途方もない目標立てて、作ったことの失敗を隠しているってわけ。

おそらく永遠に【もんじゅ】は稼動しないでしょう。


日本はこの【もんじゅ】の計画が、早く実現すると思い込み、イギリスとフランスに、この劣化ウランプルトニウムに分離する再処理を頼み、高額な金を支払い、45トンのプルトニウムを溜め込んでしまった。
しかし【もんじゅ】は実現せず、長崎型原爆4000発分のプルトニウムを、ウランの変わりに使って【プルサーマル】と呼ばれる工程に使用してきた。ウランと共に3分の1程度、プルトニウムを混ぜ込んで臨界させると言うこの技術は、異常なほど危険であり、暴走しやすい。
この原子炉の安全性を圧倒的に低下させる方法を用いらなければならなくなった理由は、単純にこの、プルトニウムをほっておけないからである。




青森県六ヶ所村には、核燃料の再処理工場がある。
しかしこの工場は、1997年に稼動する予定だったものの、トラブル続きで20回延期され、未だに動いていない。
それでも使用済み核燃料がすでに、3000トン以上、運び込まれているのだ。
3.11の地震の際には、外部電源が遮断され、非常用ディーゼル発電機で冷却システムに給電するものの、一台が不具合。
4月7日の余震でも再度外部電源が遮断し、非常用ディーゼルで給電。
こんな事故を頻繁に起こし、再処理工程自体が破綻している六ヶ所再処理工場。名前だけが再処理だが、一度も再処理できていない工場である。


六ヶ所再処理工場はすでに2兆2000億円の費用をつぎ込んでいる。
もちろんすべては電気料金に上乗せされているわけだから、電力会社は儲かってきただけだが、絶望的なのは、これだけのお金をかけて、六ヶ所では何をやるかというと、計画的に公然と、放射能を薄めないでそのまま放出すると言う作業をやるのだ。



使用済み核燃料の中には、生成され蓄積されたプルトニウムがある。
ウラン235を燃やす事で生成される100%のプルトニウムがぎっしりだ。
再処理工場ではこの燃料棒を開け、それまではジルコニウムという被覆管で覆われていたプルトニウムを取り出し、科学薬品に溶かして分離する。
これは環境に放出する放射能の量は、これまでの原子力発電の比ではない。
通常の原子力発電所が放出する放射能の1年分の放射線量を、たった1日で出してしまうと言われているのだ。




この六ヶ所再処理工場の操業は40年の予定で、かりにこの40年で12兆円を越える維持管理コストがかかることがわかっている。
使用済み核燃料、1トン当たり4億のコストだが、実はこれ、イギリスやフランスにお願いすると、1トン当たり2億円で済んでいたのだ。
わざわざ倍の料金をかけて、電力会社が再処理施設を作った理由は、電力会社が保有する資産の数パーセントの係数を利益として担保してよいですよ!という法律の下に、電気料金を設定しているという仕組みがあるからなのだ。



環境を汚し、生命を常に危機に脅かし、異常なお金をつぎ込んで、未来永劫、地球に核のゴミを残す原子力政策に、どうして日本人はこれほどまでに固執するのか。
それは【紙幣と硬貨】の為だけである。





原発は止める事のみ、正しい選択である。

すぐに代替策は?と言うやからが出てくるが、これは原発を廃止すると電力不足になると言う思い込みからくるもので、日本人に対して、原発も必要悪だとあきらめさせる為のプロパガンダである。
おまけに原子力政策に反対すると、それなら電気を使うんじゃねえ!なんて叱られてしまうことまである。
今年、夏のたった数日のピーク時と呼ばれている数日間、原発は一基も稼動していなかった。
少し工場などが工夫して、国民が少し辛抱すれば、なんなく乗り越えられた。

原子力発電所が一基も動いていない日本で、どれだけ停電したでしょうか。

ぜんぜんしなかったでしょう。


実は日本の原子力発電による発電使用量は、全体の18%に過ぎない。


火力発電を50%の稼働率に止めている状態で、である。



日本中の火力発電を70%稼動にすると、もうそれだけで、日本中のどこにも不便がない。





最悪な問題がある。

核のゴミだ。

原子力発電までのプロセスには、膨大な核のゴミが出る。

ウラン鉱石からウランを取り出す作業で出て来る放射性物質のゴミ。

次にウラン濃縮ででる大量の劣化ウラン

そしてその工程で生成工場から排出される放射線物質。

さらに原子炉を動かす事で生まれる一番毒性の強いプルトニウムを含んだ使用済み核燃料。

ウラン鉱山。
精錬所。
濃縮施設。
加工施設。
原発そのもの。
再処理施設。

すべての施設で核のゴミは捨てられ、放射性物質が含まれた淡水が海に流され、空気中に、計画的に、定められた基準いっぱいに、散布され続けている。



あいまいで命を危険に晒しいている排出基準。






原子力発電所は機械である。
いつかは動かなくなる。
廃炉になった時、この最大の核のゴミ、どうする気なのだろうか。



それから原発内で毎日毎日発生している低レベル放射線を発する核のゴミがある。作業着やウエス、様々な道具類など。
これらのゴミは洗濯も使いまわしも出来ないので、どんどん溜まる一方である。
現在このドラム缶の本数は100万本近い。
100万です100万。(ガクブルガクブル)
このドラム缶、青森県六ヶ所村の地下に、コンクリートの部屋を作って置いている。
300年間の監視付きで。
湿気の多い地下で、腐りやすいスチール製のドラム缶が100万本。
それを300年間、監視するらしい。
300年前の日本は、江戸時代。
300年後、日本の国がどんな国になっているかもわからないのに。








最後に。


使用済み核燃料を再処理して最後に残る【超ウラン元素】と呼ばれる極めて強い放射能の塊がある。
この塊を、溶けたガラスで覆って固め、数百メートルの地下に埋める計画を、政府が進めている。
貧乏な地方自治体に、20億円のプレゼントをちらつかせ、金で釣っているわけだが、なかなか決まらない。
この管理、なんと、100万年だそうです。


100万年だって。


100万年コストをかけながら、危険を承知で管理し続けろと。


今もらえるたった20億の金の為に。


これが日本人の実態である。


色んな本で学んできたが、ひとつだけ自分の主観を述べさせてもらうと、現代の癌や白血病の、約半分は、いやそれ以上かもしれないが、本当の原因は、原子力発電所の存在や事故から産まれた放射能物質の拡散と、核実験で世界中に飛び散った、放射線物質のせいではないかと思う。




私はなんだか、未来に対して恥ずかしい気持ちだ。