豊かさということ


日本の政治が、高齢者優遇の為の政治になっている原因は、有権者の投票市場が高齢者にあることが原因である。
年金の問題も、医療制度の馬鹿馬鹿しさも、消費税の問題も、社会保障の財源問題も、すべては高齢者の要求に応えるために政治が迷っている。

この時代のその高齢者は、すでにほとんどが戦後の世代であり、戦中であっても、それは子供の頃で、高度成長期に社会に出た世代であり、あらゆる豊かさと繁栄を享受した世代でもある。

同時に自己の正当性の主張に勤しんだ世代でもあり、繁栄を個人の豊かさに追い求める倫理が浸透していた世代でもある。

自分の事がなにより最優先であり、金を溜め込んで使わない。
それでも不安だ不安だと、社会の不安をあおり、政治に不満を持つ。
自分は何もしないが、社会からの施しを求めている。

1人か2人の子供を育て、たっぷりの年金を社会から得ている。

これだけ若い世代の年金の恩恵を受けていながら、まだ将来が不安だといってはばからない。

社会保障介護保険制度が整備され、国が9割を負担していながら、そして、医療でも重度の恩恵を社会から受けていながら、まだ不満だと言う。
消費税が上がるのを不満がる。




税が悪いわけではない。

役人の使い方が腹が立つのだ。

誰も求めていない建物建てて、客がろくに入らない殺風景な施設に、毎年毎年、大赤字を積上げている。
そんな建物を造る理由は、造った会社や団体や、施設管理団体などへの天下り先を確保する為だ。
役人は税金を徹底的に国民から査収しておきながら、それを自分たちの欲望の為に使う。



せっかくの税金を、そんなことに使わずに、もっと必要なところに使って欲しい。
介護でもいい、社会保障でもいい。
利益の再分配という社会の仕組みを、もっとまともに機能させて欲しい。

そして何より、社会に何かを求めるより、自分が社会になにが出来るかを考えなければ、政治もよくならないだろう。

消費税が上がったっていいよ。
もっといいことに使ってくれるなら。
たとえば高校の無償化や大学の無償化。
生活保障の審査員の拡充。



タンスにごまんと金のある年寄りは、年金も医療保険も辞退してほしいくらいだ。

本当の平等言うのは、人間の心と意思にあるのではないか。


若い世代が選挙に行かないのは、政治が若い世代を支援するつもりがないからだ。

政治家は投票してくれる世代が喜ぶことしかやらない。

選挙で落選したらどうもこうもないからだ。

当選して初めて政治家でいられる。だから投票してくれる人の喜びそうなことしか言わないし、やらない。

政治化には実は信念などないのだ。

一番信念の人という顔をしておきながら、実は一番現金な人たちである。

今の政権政党が宗教団体だということ事態に、この日本の迷いが現れているのではないか。
所詮すべて宗教はカルトであり、違いはカルトの歴史でしかないのだ。



政権が主に自民党になっても決してこの国は良くはならない。
たとえ経済がある程度持ち直しても、絶対にこの国は良くならない。

この国を良い国にすることが出来るのは、日本人の心の問題であり、問われているのは、自己犠牲の精紳と社会貢献の意思である。



全国民がその意思を共有してこそ、真の豊かさを得ることが出来るのだと思う。