いぶき村

約2年ほど前から、私が行なっている小さな活動がある。

この度その内容を思い切ってフェイスブックに投稿した。

その内容だが、下記の写真のような、ネームプレートを、佐賀県知的障害者施設の【いぶき村】に作成依頼し、一定の料金を支払うという活動である。



材料はすべて、100円ショップにて調達する。

厚紙を切り、そこに和紙系の色紙を貼り、文字の印刷された紙を切り取り貼り付け、最後にパンチで穴を開ける。そこに紐を通し結べば完成だ。

我社が一枚25円で買い取る。

これをひと月に数百枚購入する。

そうすると数万円の利益が【いぶき村】に残るという仕組みだ。



最初は会社からは大反対された。

まったく聞く耳を持ってくれない状態だった。

それがどの程度、販売促進として効果があるのかわからないし、特に我社は、販売促進物や、広告宣伝にかかわる経費を、ほとんどかけない社風であり、過去、このような活動を認めたことはない・・・というのが、私への反論だった。




しかし、現常務取締役がたった一人、この私の企画に大賛成してくれた事で、様相が一変し、初めて、小さくはあるが、我社が、障害を持つ施設団体とともに、経済活動による取引を開始するにまで行き着いた。



このネームプレートは、日本の社会保障制度のひとつである、介護保険法に基づく、介護用具レンタルの市場で、介護認定を受けた高齢者、後期高齢者に、レンタルでお貸ししている車椅子や、歩行器などに、無償でお付けしている、サービス品である。

最初はこのネームプレートが、顧客に評価されるのか、ただ捨てられるだけなのか、まったくわからなかった。

しかし最近、配送員からの報告で、とても喜ばしい出来事の報告があった。

あるご利用者が、以前もらったこのネームプレートが、雨に濡れてだめになったのだけど、もう一枚もらえないかと、そう頼まれ、配送員は、普段から何枚かトラックに積んでいた事で、すぐその場でお渡ししたところ、それはとても喜んで頂けたという、そういう報告を受けたのだ。

涙が出た。

私はもちろんだが、【いぶき村】の方々の努力も、大いに報われた。

この活動を始めて2年間、その間に、市場では淡々と、このプレートが浸透していたのだ。




【いぶき村】では今まで、この活動がなかった頃は、人から支援を受けたり、保護されたりするばかりで、自分たちの仕事で、小さくても経済活動をしたことなど、まったくなかった。

いつも社会や人に頼るだけだった毎日が、ほんの小さな経済活動とはいえ、自分たちの働きによって、社会のどこかで、誰かが喜び感動し、そして正当なる対価を得、その利益で施設内の必要な経費をまかなえるという喜びを感じた事などなかったと、涙を流して嬉しそうにお話いただいた。


私も涙した。


私のできることなどほんの小さな活動でしかないが、少しだけ、良いことをしたような気持ちになった。

いつもろくでもない私だけど、思い切って今日は、このことをちょっとだけ自慢したいから。




いぶき村の皆さま、いつもありがとう。






この記事をお読みの方で、このプレートを、ご自分の何かに使いたい方、お仕事に役立てたい方、ぜひお気軽に、まずはコメントを下さい。
10枚程度であれば無償でお送りいたします。

数十枚、数百枚必要な場合は、恐れ入りますが、一枚25円の仕入れ価格そのままで、お譲りしたく存じます。