人の憾

社会で仕事をし、生活していると、本当に色んな人がいることに驚き困惑する。

倫理道徳に悖る人間の多いことに驚愕する。

倫理道徳はマニュアル化できるものでもない。

基準は正常な人格者の感性とでも言えるだろうか。



40越えた独身男でハゲでケチ。

独身主義、不細工で性悪が原因、ケチな育ち、と、仕方もないだろうが。
そういうタイプは仕事でも必死にやるしか生きがいもないだろうから、腹も立たないが、そういう男に限って自身の世界感や観念でしか物を見れない。
丁寧語使いながら言葉で人を攻撃する、攻撃好きで、攻撃することが仕事の出来る男と勘違いする残念な人間である。
自分の観念が、人を攻撃することによってしか成り立ってこなかったこの男のさびしい人生と、立場上、反論を許されない立場の私の人生とでは、出会った人の【量】も【質】も違うだろう。
経験した【量】も【質】も違いすぎるのだ。
見てきた世界が違いすぎる者との話は線が細すぎる。
業務レベルの話し以外で話に深みがない。面白くもない。


だからこの男と私とでは、人との接し方が根本的に違う。


良質な人生には良質な友が集う。
祖形な人生には誰も寄り付かない。
この男がいつか自分の過去を振り返ったとき、恐ろしいほどの恐怖が襲い掛かってくるだろう。
何もない自分の人生に。

かわいそうな中年男には、私の感じている【幸せの世界】もまったくわからない。

目を覚ますと隣で寝息を立てる、美しい妻の香りをこの男は知らない。

疲れた日でも、私の心を癒してくれる、いつも笑いの耐えない子供たちの存在や美しい妻をこの男は知らない。

経験がないからだ。

そのような不変の愛を知らないこの男には、立て板に水のように利いた風な論説を勿ことは出来ても、自身の心の言葉は出てこない。
出てくるはずがないのだ。何も持っていないのだから。
大会社の権威を振りかざす孤独な男に私は興味はないが迷惑ではある。


我社の社員教育は徹底している。
仕入先を大切にし、暴言や脅し文句と取られるような言動、行為を厳格に禁止している。
独占禁止法の条文にも、何らかのパワーによって取引の引き下げを脅しに使うことを抵触範囲にしている。
法解釈は裁判の問題である為、潜在的に企業間取引ではこのような【脅し】が実質的に横行している。
おおごとにしたくない仕入れ先の立場からは、たいていの場合、裁判までに持ち込もうとはしないケースがほとんどだからである。
喧嘩して生活を失うより、じっと我慢して乗り越えて生活を守ることのほうが、家族持ちには現実的なのだ。
立場の違いを使って圧倒的パワーで弱きを叩く。
それで強くなったような錯覚の世界に生きるのだろう。

【気に入らないからお前のところの取引減らすぞ!】
は、独占禁止法で禁止している行いなのだ。

大企業はその看板を使ってこのような暴挙を潜在的に実践の場で、少しづつ出している。
そして仕入先を震え上がらせ脅し、言うことを聞かせる。

立場が変らないと理解できないのは営業の最前線に立ったことがないからだろう。



どんな看板や背景であろうと、魅力のある人間、人格に人は傾注し頷き、集うのだ。

おまえは生涯きっと孤独で終わる。このままではな。











迷惑などにはまったくなっていない、駐車禁止の標識もない、簡素な住宅地の道路で、駐車している車に懸命に、自筆で書いた【駐車禁止】の紙を貼り付けていく、マニアな住民。

駐車場の整備されていない環境では警察もあえて、駐車禁止の標識を立てずにいる、むしろ警察配慮の見え隠れする道路だから、ちょこちょことあちこちで道路駐車している。住宅街の広い道路。
そんな住宅街にもひとりやふたり、過敏に駐車に反応し、自分でマジックで書いた駐車禁止の紙を、車に張って行く族がいる。

近所の車に張り紙することが生きがいになっている。



随分前には警察が来たこともある。

警察は別に駐車禁止を捕ろうとは思っていないとの事だった。

ただ近所に苦情で騒ぐ人がいると。
仕方がないのでどこかの駐車場へ移動して欲しいと、立場上言うしかないとのこと。


まあ道路交通法では、道路はどこもかしこも駐車禁止みたいなもんだから、標識はなくても一応、移動をお願いしなきゃならない立場なのが警察なわけだ。
駐車禁止の定義は意外と多く、どんな道路であっても、交差点となる場所では、交差点から5m以内は駐車禁止となる。
標識もない広い住宅地でほとんど車の通らない道では通常警察は駐禁は取らない。
時々タチの悪い婦警などが気張って取ることもあるが。

私はルールを守ろうとする事は当然と思う。
しかし、住民同士が互いをルールで縛り付けあうのはどうかと思う。

ルールを1ミリの誤差もなく互いに完全に厳守させろと人間同士がせめぎ会う社会。そんな社会を作る気なのか。
駐車場のインフラも整っていない環境下では、互いの首を絞めあう一部の人間による偏った暴挙が地域を暗くさせる。