46歳

先日46歳になった私。

家族7人、年間7回の誕生日と、一度のクリスマスが子供にとってはケーキを食べられる口実なので、どうしてもケーキを買うしかない。

会社を早めに上がり、ケーキ屋さんを周るのだが、今はなかなか作り置きがない。ほとんどが予約ばかりなのだ。

不二家も予約制。

近所のケーキ屋さんも、どう見ても小ぶりなケーキばかりで、7人では物足りない。

そこで今回はサーティーワンで、アイスケーキにした。

画像ないけど、味はなかなか。

子供たちは何もプレゼントなし。

やっぱり子供も大きくなると、だんだん自分のプレゼントしか関心がなくなるのだなあと、ちょっとさびしい気持ちに。

末っ子に関してはちょっと事情が違って、誕生日のプレゼントはなかったけど、ほぼ毎日、私にお手紙をくれる。

【おとうさん、いつもおかしかってくれてありがとう】
【かたもみけん】(肩もみ券)
【あしふみけん】(足踏み権)
【せなかかきけん】(背中かき券)
【おとうさん、いつもいろいろかってくれてありがとう】

ふにゃふにゃの文字で書く、末っ子の文字は、彼女なりの私への精一杯のおべっかなのだろう。

それにいつまで続くかはわからないが、末っ子はいつも私の膝の上に乗る。

寝る時も、妻よりも私に寄ってくる。



しかし子供の成長は早い。



気がついたときにはもう、すんげえデケエ。



でかいのに精紳が子供。



手が焼けるぜ。







いつも家では私に冷たい妻。

二人きりになると、昔の二人きりの時の機嫌が悪い時、程度の状態には戻るのだが、深刻なほどに家では無愛想である。

この日も間違いなく言えるのは、私の誕生日を祝うなどという気はまったく微塵もなく、子供たちのケーキをどう確保するかについて、逆鱗的にイライラするのではないかと、私はものすごくビクビクしていた。



(ガクブルガクブル)
(ガクブルガクブル)


ケーキを探しに行く道、思ったよりもイライラしていない妻に、微妙に緊張しながら、サーティーワンでアイスケーキを確保し、食事を終え、恒例の誕生日撮影を。

画像ないけど、1年間に7枚撮る、恒例の写真がいつまで続くのかと思えば、大切な儀式である。




(さて。ケーキ皿、洗うか。)

そんな事を思ったときには妻が洗い終えており、内心、
(なんだあ、一歩遅れたなあ。あいつまた、イライラしねえかなあ)
と、妻を見ると、ガツンと目が合う。

(ビクッ!!)

と覚える私。

(な・・・なにかしたでしょうか・・・私ぃィィィ・・・・・)

なんて心でつぶやいていたら、妻がひとこと。

『はい。これ。』

と小さな封筒をくれた。


妻のプレゼントに驚きながらも、小さな封筒を見てビックリ。

【ありがとう】

の文字が!!!!!!!!!

(ガ〜〜〜〜〜ン。。。。。ゥゥゥ。。。武内よぉ〜。正直、す、、すまんかった。。。。。こんな気遣いが出来る妻だってこと、俺、忘れかけてたぜ。。。。)

涙が出そうになるのを必死に堪えながら、封筒をみて思う。


(げ??現金??)


(せいぜい3,000円か?)
(小銭の重さじゃないな。。。)

と封筒を覗いて、中身を外から確認。

4つ折じゃなく、3つ折りのピン札。

2枚。

(に。。。にまんえん?????)

(ど、どうしてだろう????なぜ2万円も????)

と思っていたら、

『スニーカー欲しいって言ってたじゃん』

と妻。

で俺が、

『いやあ〜うれしいなあ〜〜でも現金じゃあ、呑みに行っちゃうじゃんかア〜〜〜』

と言うと妻が、

『飲み屋さんでは払えないよ。』

と言う。

意味が分からず私が、

『え?だって現金じゃん。使っちゃいそうだよ〜酒に〜〜』

と言うと妻が、

『いいからお金出してみなよ。わかるから』

そう言って出すように則すので、まさかニセモノか????と、変な不安がよぎり、中身を出す。


出して折った万札を開いてビックリ!

うっひゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
けんちゃん大喜び!!
思わず子供の前でこのキスマークにチュウ〜ッ!!と重ねてキスをする私。

うええ〜〜と騒ぐ子供たち。




なんだかとてもうれしかった。

お金がうれしいんじゃなくて、『ありがとう』という封筒と、キスマークをくれたことが。


ある古い女性の友人と、数ヶ月前のパーティー後に少しだけ話す機会があった。
その時、私の妻はきっと、照れ屋さんなのだと教えてくれた。
不思議にその辺りから私は、妻の私への所作に対して過敏にならなくなった気がする。

こうして時々でも、私に不器用に、でも今回みたいに武内らしいセンスで愛を少しだけ分けてくれる武内に、やっぱり感謝しなきゃって思う。


私は歩くのが遅いわりに、事に対して急ぐ。

妻はそのペースが私と違うのだと、そんな風に最近思う。

妻は私には美しすぎて罪だ。

毎朝、毎夜、毎週末、色んな日、時間、場所で、妻はいつも新しい美しさを醸し出す。

それがその時々でそれぞれ違っていて、どれもまた新鮮で、どれも美しい。









もっと古い後輩である親友からも、突然のプレゼントが!

サンキューボブ!



レスラーの血が騒ぐプレゼント。

3歳の頃からプロレスを大人である父とやっていた私は、その辺のレスラーよりも【つおい】。

【つおい】

これでレスラーとして、MMAの東大阪ヘビー級チャンピオンとして、誰の挑戦でも受けてあげよう。

ははは。3歳の頃からだから、43年間、プロレスラーやってきたんだから、その辺のプロレスラーよりもプロレスは上手いぜ。






国体4位の実績を持つ、部下のジョンとも軽くスパーリングやって、1分間で4回タップ取りましたから。

ジョン。君は弱い。

今度俺の必殺技を君に試して、その技でKOしてあげよう。

その必殺技の名は、【46歳】。