世界の癌

世界平和なんか絶対に実現するわけがない。

しかしいつかそんな日が来ると信じて、日本を信じ、世界の人々の心を信じて戦争の悲惨さ、殺しあうことの愚かさを、日本をはじめ、世界に伝えようとした正義のジャーナリストが、殺されてしまった。

本当に残念なことになってしまった。

気の狂った方法としか言いようがない方法で、世界を憎むISIL。

この組織が生まれた原因のそのほとんどに介在してきたのはアメリカという世界で一番身勝手で、世界で一番の欲張りな国である。

もちろんアメリカだけではないだろう。

間接的ではあっても、経済的にも安全保障においても、日本はアメリカの軍事の傘の下に潜り込み、じっと息を潜めて紛争に巻き込まれないように、テロに攻撃されないように、実にきょろきょろしながら国と国民の安全を維持してきた。

安倍首相は積極的平和主義なる理念で、アメリカの軍事路線に追従していくことで敵対国やその他の世界に対して、日本を強い立場の国にしようとしている。

安倍首相は世界の現実を、イスラム世界の現実を、まるで米ソ冷戦時代のように単純構造的な理解をして、貴重な日本のジャーナリストを、無法者たちの悪の手に陥れてしまった。



テロリストが悪いのは当然のことだ。

戦争なんて、起こすのは政治家や一部の考えられないくらいに金と権力を持つ人間たちによって起こされているわけで、世界のほとんどの人間たちは、ただ巻き込まれているだけだ。



アメリカとブッシュ親子は、アメリカの軍事脅威に追従しない、イスラム世界のパンドラの箱を開けてしまった。

そしてその箱の閉じ方を知らない。

開けたパンドラの箱の中を、好き勝手にかき回し、どこに何があるかもわからないまでにぐちゃぐちゃにしてしまい、そしてその箱を開けっ放しにしたまま逃げ出してしまった。



箱の中には善も悪もある。

しかし人間社会は善のほうが弱い。

常に勝つのは悪である。

悪ほど圧倒的な存在はない。





パンドラの箱の中がどんな世界で、そしてそれをかき回したアメリカが何をしているのか、ろくに理解できていない日本が、ノコノコと中東の和平に首を突っ込んで、欺瞞だらけの正義ずらするなんて、100年どころか1000年早い。

ましてISILを産み落としたアメリカと、自衛権の使用幅を広げようとしているさなかの日本が組んで、ろくに知りもしない中東の正義の実現に加担しようなど、漫画の読みすぎかと、ここにきて私は安倍首相の失策を理解する必要があることに行き着いた。

リーダーが常に正しくあれとは言わない。

しかし日本のリーダーは間違えた。

軽率に路線を走りこんでしまった。

そのうち日本のどこかの民間施設で、地下鉄サリンですらかわいいと思えるほどの爆弾テロが、起きたりしないだろうか思えてきて、本当に残念な気持ちだ。




ISILの前身はアルカイダイラク政府の残党である。

アルカイダは対ソ連対策で、パキスタンと共同で、アメリカのCIAが作った組織だ。



訓練と世界最先端の武器を送り込み、テロ組織を作り上げたのはアメリカなのである。



日本に核爆弾を2個も落とし、東京や日本の都市を徹底空爆し、70万人の日本の民間人を大量虐殺し、弱体化させて憲法で軍事的に骨抜きにして、沖縄などの日本の領土に軍事施設を治外法権で設置して、日本にアメリカの生産農業資源を徹底的に流し込んで、結局新しい時代の植民地にしようとしたのである。

その成功体験を、ベトナムにも中東にも思い描き、常にアメリカの実質的な属国にしようとたくらんでいる。



それを描いているのはアメリカのユダヤマネーなのだ。


ヒトラーはほんの一部、正しい側面があったのかもしれない。


彼がユダヤを敵視したのは、この現代世界にユダヤマネーが蔓延り、世界が制覇される事を恐れたからではないだろうか。




アルカイダアメリカに20年近くもの間武器支援を続け、資金、軍事訓練などを徹底し、結局9.11を誘発させた。

これが自作自演なのか、本当にアルカイダを怒らせたのかは知らない。




アメリカは結局その矛先として、言うことを聞かなかったイラクフセインを強引にターゲットとしてしまい、利権を圧倒的に獲得する道を選んだ。

フセインが死んで、アルカイダは、イラクから追い出されたフセイン政権の残党、そしてフセイン民兵組織まで加わり、それらと共にISILへと成長したのである。



その後アメリカは間接的に(ある意味直接的に)そして一方的に、アメリカの属国とならない国を破壊し始め、ガタフィを殺害し、リビアを属国とする。そして次の矛先を次のシリアにした。

アサドを殺し、世界侵略を推し進める為に、シリア政権打倒を実現するために、シリア反政府勢力の自由シリア軍と呼ばれる、いわば対政権でいえば一種の武力で政権打倒を進めるテロ組織に5億ドルだったか、数百億円の資金供与を行う。


シリアでシリア政府軍と三角関係にあって、自由シリア軍への資金は、ISILへ流れていく。

それぞれがトライアングルに戦う中、自由シリア軍は腐敗。戦いに疲れ、金を持って逃げるものも続出。ISILに多くの人、物、金が流出する。

つまりアメリカは、このトライアングルの2つの勢力、自由シリア軍とISILに、大量の資金と武器を与え、それが今のいわゆるイスラム国の現在につながっているのだ。





オバマブッシュ政権の軍事海外展開を批判して大統領となり、何もしていないのに核廃絶演説だけでノーベル賞をとってしまった。

平和主義のイメージは、アメリカの軍産複合体には大打撃である。

アメリカの軍産マネーにこびりつくアングロサクソンは、アフガニスタンイラクから、完全にアメリカ兵を引き上げると、国防予算にもマイナス影響が出る。

この軍需産業利権をむさぼる戦争屋アングロサクソンユダヤは、この兵の撤退そ死ぬもの狂いで阻止しようとし、新たな戦争の矛先を探し、事件を捏造し、戦争の正当性をプロパガンダし、常に世界に武器が必要な状態を作り出している。


このアメリカの軍事利権が、世界を戦争状態にしているといっても過言ではない。

不幸が不幸を呼び、恨みが怨みを生み出す。


家族を殺されたものが立ち上がりテロリストとなり、自分の命を賭して家族の敵を討つ為に戦う。


どんな装備を持った職業軍人よりも、妻や子供の敵討ちに燃えるテロリストの方が、圧倒的に恐ろしいのは間違いないだろう。

その物語を持つテロリストたちを、安倍政権は打倒宣言し、敵とみなしたと、世界には事実、そう伝わったのだ。



アメリカはISILへの空爆を決めたことで、巡航ミサイルが製造されることになり、あらゆる武器を準備する必要性が生まれ、兵の増強も含め、アメリカは雇用が促進される。

アメリカは戦争しないと雇用が創出できない国なのだ。

建国当時から何一つ変わっていない国である。

インディアンを大虐殺する為の武器。

アメリカ大陸を侵略する為のライフルや拳銃。

荒野での殺し合いが頻発するモラルのかけらもない白人同士の殺し合いから身を守る為のライフル銃。

拳銃やライフルが各家庭に2丁も3丁もあるのが当たり前の建国経済の成り立ちが、アメリカという国なのだ。




日本の民主党日教組と結びつき票を集めているのと同じように、自民党が医師会の票を集めているのと同じように、アメリカの政治家にはイスラエルの圧力団体からの献金や票によって自身の立場を誇示しているものが多い。

アメリカがことあるごとにイスラエルを支持し、イスラエルがガザを攻撃しても非難するどころか支持する決議までしやがった。

そしてガザの一般市民たちを大虐殺するイスラエルの行為に加担し、そしてまた、家族を殺された男たちと、子供を爆撃で殺された妻たちと、両親を失った子供たちが、新たにテロリストとなって、イスラエルアメリカに、自爆によって敵を討つという【聖戦】の正当化が生まれていくわけである。



アメリカってどうしようもない。


テロリズム。テロリストは悪いのは当たり前だが、原因はアメリカにあることを決して忘れてはけない。


私はだから、原爆のこと、ベトナムのこと、イラクのこと、アフガニスタンのこと、イスラエル建国のこと、リビア、シリアのこと、そしてイスラムのこと、世界の紛争と戦争にほぼ全て加担してきたアメリカを、【道徳としての反米】という意識で定義したいのだ。



アメリカをだれが警察国家などと言ったのか知らんが、オバマが言ったようにアメリカは世界の警察なんかじゃない。

アメリカは世界の【癌細胞】である。

アメリカは世界を滅ぼす【不治の病】の元凶である。