言葉

無事行方不明の子供が発見されて本当によかった。
奇跡的な偶然も重なって、子供の本能的なサバイバルへの対応力も手伝って、自身の生命を自分で担保したことは、ただただ驚きと尊敬の気持ちになる。

私は5人の子供と暮らしてきた。

妻は毎日子供と口げんかしながら結局仲良く暮らしている。

妻は子供をよく怒りはするが、【しつけ】という定義にはこだわりがなく、自分の母親としての本能や、一人の大人の人間としての感覚を自分で信じて、それでも毎日迷いながらも良い母親だと思う。

デパートで、勝手にウロウロしちゃだめだよと、散々言い聞かせても、勝手に消える子供に、見つけた瞬間に、【おいてっちゃうよ!】と、怒る事はあるが、実際に置いて行ったことはない。
私達夫婦は【ビビリ】なので、万が一、子供が誰かに連れ去られたら。。。と考えてしまう習性があって、しつけの為であっても子供を置き去りにする勇気はない。

ましてや山の中など、絶対にできない。勇気がないだけ。

でも、しつけの為に、子供のほっぺたを、【歯を食いしばれ!】といって、【バシッ!】と叩いた事は何度もある。


携帯を持ったことで、名前が出ないことをいいことに、ネットで人を中傷したことがばれたときとか、後ろから友達を突き飛ばして怪我させたときとか。

ま、私の子供の頃と違って、たいして悪いことはやってないから。うちの子は。

妻の血が入るだけで、私のとんでもない子供時代のような子供は、我が家には一人も居ない。


本当に子供がやばいことした時は、私の出番になる。

妻も、これは私の言葉では子供に通用しないから、【住吉お願い。】と言う事になる。

そして何度も言って聞かせたことはあるが、いわゆる【怒る!】というようなシーンは実はそれほどない。

しかし子供から言わせると、【お父さんは怒ると怖い】というイメージが残っている。

それは、三つ子の魂百までというように、小学生低学年程度までは、時々強く怒って来たからだ。

もう高学年以降は、妻が言って聞かないとき、日常では少し怒っても、本当に言うこと聞かない時、本当に悪いことをしたときは、子供には怒らない。

言って聞かせるだけだ。

なぜいけないか、なぜ怒るのか。

それを言って聞かせて説明して、たとえ話を使ってわからせれば充分だ。


うちの5人の子供たちは、本当にいい子ばかりに育ってくれた。

私はその上では妻に恵まれ、子供に恵まれている。




子供への怒り方、子供への伝え方、その全てを私に教えてくれたのは、
【わが師】である。

死んでしまったが、今でも私の心の中に生きていて、私の周りに何かが起きても、私にすべきことを私の後ろで指示してくれる。
私が言うべきことを、私の口を使って、私の後ろで【師】が話してくれている。

私の言葉は【師】の言葉だ。

そして父を始め、多くの人生の先輩と、人生でであった人々、人生を考える本の言葉だ。