現実

日本の会社は利益効率が良くない。

日本人は真面目で規律を重んじるので、柔軟性がない。

組織では、柔軟性があることが逆に【悪】であるかのように思われている節もある。

日本の会社の管理職は、経営資源の管理と、その資源活用の帰結としての仕事の結果を、さらに【管理】する事を目的としており、マネジメントではない。




管理という仕事は、実はまったく生産性がない。
厄介な事に、管理という仕事は、あらゆる仕事を様々なシーンでストップさせる事を目的としている。
すなわち、管理という仕事をしている人材(上司)は、現業の仕事を中断させたり、進行を止めたり、スピードダウンさせたりする。
(おいおい、そんなに仕事すんなよ〜)
と、歩みを止める作業。それが日本企業の管理職の仕事と実態である。



そしてほとんどの組織人はそれに気づいていない。
いや、逆に、出世することが目的となっているので、管理職の仕事のなんたるか、など、ほとんどの管理職は考えることもないのだろう。
さらに、部下に求める仕事は主に、上司への報告を速やかにできる為の情報を、わかりやすく、整理して報告せよ!という、いわば、自分を守る為に、部下を仕事させるというのが実態であり、戦略的に仕事を組み立てたり、具体的な戦術を指示したり、とにかく具体的なことが苦手であり、実体のない存在となっている。



そもそもいかに仕事を簡素にし、便利にし、無駄な管理を減らし、不必要な承認プロセスをなくすか、そのイタチゴッコこそが、企業の効率化であるはずなのだが、それを体現できない組織人が多い。
それらをすべて、一切手放さず、しがみついている。
指導・教育と称して無責任に吠える。
古くからの日本の習慣には、素晴らしいものも多い一方で、習慣化されている管理職の癖には、仕事を抜本的に阻害している深層心理が意外と多く、日本の会社組織はその管理職の深層心理の奥にある癖に、仕事の多くのエネルギーを費やしており、非常に創造性に欠ける。




ただ結局、会社の経営者や、創業者が、社員に求めるものがなんなのか、それに尽きるので、報告と連絡と相談が上手くマメに出来る組織人を好む傾向がある以上、日本の企業に創造性は生まれる事はないだろうと思う。



威張りたい日本人が多いということなのだ。



つい昨日、私の上司は私にこんな事を言った。
「おまえの部下は若くていいな。素直に【はい】と返事をするから上司気分を味わえる。」
聞いて愕然。

上司気分を味わえる・・・ときた。

部下が素直に返事するのは、【若いこと】が理由ではない。
そういう部署に作ってきたのだし、そういう関係性を構築してきたのだ。
愚かな。
こんな上司がいる私はある意味で非常に不幸である。
しかし一方で、私は上司に理想など求めない。
だから受け入れていくし、変えるべき事は今後も戦う。
私が上司に倫理を求めるのではなく、上席者は、自己の倫理を追求し、自己研鑽に努めるべきだとは思う。
我社の創業者は、まさに自己研鑽の積上げによって現在の人格者となりえた。
雇われているサラリーマン上司にそこまでは求めぬが、そういう創業者の下で働いている事をもっと真摯に受け止めて、自己の確立の為に努力せよ、と思う。



しかしこれが社会の現実でもある。