三つ子の魂・百まで。

子供の頃から母親に、がんばれがんばれと言って育てられました。

負けるんじゃないよ!勝たなきゃ意味ないよ!と、いつもそういわれて育ちました。

小学校の頃は勝ったのか負けたのかもよくわかっていなかったけれど、実家を出て寮生活になって競泳に集中する生活になってからはほとんど勝ち続けてきました。

日本一になったり日本中学新記録や高校新記録も更新しました。

 

けれどオリンピックには選考されませんでした。

力不足ももちろんあったと思いますが、私の種目は世界と戦うには国内レベルが低かったのも事実でした。

 

けれど今思います。

あの時、オリンピックに先行されていなくて良かった気がします。

きっと天狗になって今の私は無いと思うからです。

 

57歳になり、師の米川先生よりもすでに6年も長く生きています。

そしてつらく悲しくしんどいことばかりの毎日です。

私はまるで競馬馬のよう。

ファンファーレが鳴ると本能的に走り出す競馬馬と同じです。

速く走れば走るほど、向かい風がきつくなります。

背中にまとわるように後ろから私を引っ張る強風を引きずって。

 

速く走ると景色があまりよく見えません。次々に新しい景色や課題が目の前に現れますが、それでも早く走るために乗り越え続けてきました。

 

そして、転ぶ時の衝撃と打撃とケガは、そのスピードに比例するように大きなものになります。

心と身体にひどい傷を負ってまた立ち上がります。

ここらへんでもうやめようか。とケガをするたびに思いますが、やっぱりまた走り始めてしまいます。

なんとなくですが、世間が【おい!おまえ!走れ!】と言っているように思います。

 

今高齢になった母は私にこう言います。

【そんなに頑張ったって給料はたいして変わらないだで。そんなに頑張るんじゃないよ。】

 

お母さん。もう遅いよ。三つ子の魂百までって言うじゃないか。(笑)