K・S様。
コメントの返事が遅くなりまして申し訳ございません。
素敵なコメントありがとうございます。
以下、ks様に頂いたコメント。
>はじめまして。
>水泳コーチをしておりますKSと申します。
>突然のコメント失礼致します。
>記事を読んでとても心に響きました。
>私自身汚れて傷つく過程の中で強くなったと思っています。
>しかし担当する選手や子供に対して
>私は純粋で居つづけて欲しい指導をしていると思います。
>そしてそれが彼らを苦しめていると思います。
>子供を上手に汚していく指導って例えばどんなことなのでしょうか
>私はバカなので答が分からないのです
>ヒントを教えて頂ければ幸いです
「私はバカなので・・・」なんて、何をおっしゃいますか!
私のような男のブログを真摯に読んでいただき、そしてこんな暖かさの感じられるコメントをくれるksさまなのですから、バカどころか、私も指導の現場に立たれているksさまを、心より尊敬申し上げます。
がんばってくださいませ。
ヒントなど、生意気な事は言えませんが、そもそも逆説的にというか、あまのじゃく的というか、『汚す』という例えを用いて意味を構成しようとした理由があります。
それは、教師や指導者は、そこに立つまでに相当の訓練や経験が必要なのではないかという論理に行き着く上で、子供の心理を読み取れる大人、あるいは教師、指導者になるには、自信が相当の経験をしていないと、それらを読み取る事はできないのだろうと言う事と、実は子供を純粋に育てようと言う社会倫理があるとすればそれは恐ろしい間違いを引き起こすよ!という事を言いたかったのです。
いじめの問題は、子供が人間という存在の弱さと、人間の心のもろさなどを、まったく知らないことに起因する部分が大きいと思います。
しかし同時にそれを見据える事の出来ない大人も、そのような子供のすべき成長の阻害につながることになっていやしないか、と言うことなのです。
子供の心をキャンバスとするなら、キャンバスに色んな絵の具使って、絵を描いていく作業が経験であり、本来絵とは、色の上にまた色を重ねて描いていく事でその深みを増すことが出来、さらに色鮮やかな絵になっていくものなのですが、昨今の子供のキャンバスには、大人の知っているありきたりの絵が、まるでポスターカラーの色で、くっきり分かれたアニメ画のように画かれている気がするのです。
マニュアル化されたような絵、分かりやすく綺麗なカラーの絵、そんな絵ばかりを画かせようとしすぎている。
一見、ちょっと違うんじゃないかと思えるような絵の具の色でも、少し黙って使わせてみる。
しかしもし本当に絵に合わない色だったら、修正が必要になる。
その時、その修正法を一緒に模索してあげられる大人は、23歳の学生上がりの世間知らずな『ことな』では無理だということです。
いや、23歳でも様々な経験値があれば、指導教育とともに自身も成長していくでしょうから、それはそれでいい。
そういう23歳もいるでしょうが、圧倒的に少ない。
子供が間違えた時に修正法の方向性をそっと示し、さりげなく導くことができる大人。
そういう大人に、子供に訪れたある『毒』の経験を、毒を毒と承知で飲ませる勇気と、それを毒と承知で、飲んでみようと言う子ども自身の勇気。
大人との信頼が必須であるこのよんなシーンが、実は子供の成長には欠かせないのだと思います。
『がんばれはどんな夢だってかなうんだぞ〜!』
などという言葉を、裏づけのない子供に念仏のように言ったら、そういう子供はそのうち、
『大人に騙された』
と言うようになる。
私は思うのです。
はっきりと言った方がいい。
「ばかやろう。人の3倍努力してやっと人に勝てるんだ!」
私は恩師にそう言われて育ちました。
だから勝負する時の自分の心構えを知っています。
私の師匠は、子供だった私に、いつも、丁度いい忠告と障害を与え、物事を簡単に解決させませんでした。
物凄く考えさせ、悩ませた。
しかし一方で、答えを常に持っていた。
だからほど良い加減で答えの方向性を示してくれたのです。
ks様自身も、
>私自身汚れて傷つく過程の中で強くなったと思っています。
とおっしゃっているように、そうやってみんな強くなります。
経験の足りない子供はすぐにわかるでしょう?
ならば経験させてみればいいのです。
心を叩いてみる。
毒を毒と承知で飲み、あるいは飲ませ、解毒剤を共に作っていくのです。
つたない回答ですみません。
ksさまの水泳のコーチの職を大変羨ましく思います。
私は自分の経験で、あえて水泳の道を歩むことをやめてしまいました。
子供がドンドン増えて、所得ももっともっと必要になり、そういう職を成しました。
しかし、息子が水泳を始めたとき、自分がプールサイドに立てたら、どれだけストローク修正や、インターバルの追い詰め方を指導できるだろうか・・・と、いつも歯ぎしりしながら練習を見ています。
選手育成は、コーチの想像力に起因します。
コーチが本気で全国大会や、日本選手権や、オリンピックの舞台に、自分の教え子達を立たせるのだと、本気で、心からイメージしていないと、選手は絶対にそこには立てません。
想像力の乏しいコーチで、選手が一定のレベルにまで到達したとしたら、それは選手に恵まれたと言う事でしょう。
しかしコーチがそのままでは決して一流にはなれません。
ソウルオリンピックで金メダルを取った鈴木大地さんは私の大切な友人で、先輩ですが、彼のコーチの鈴木陽二先生は、水泳の出身者ではありません。
まったく違う陸上の畑からコーチになり、ゴールドメダリストを育て上げた努力のコーチです。
コーチは選手の何倍も隠れて勉強し、隠れた努力をするものです。
心からks様を応援します。
それからあなたのようなコーチは、子供を苦しめてなどいませんよ。
大丈夫。
そういうのは分かるものなんですよ。
あなたは大丈夫です。
私はただの変態親父です。
スーパーで妻の写真を盗撮して喜んでいる真性変態です。(爆)