喫煙経費

いつの頃だったか・・・。多分小学校低学年の頃だった気がする。
親戚の叔父さんの車に乗って、どこかに出かけた時だった。ちょっと車で待っていなさいと親に言われ、助手席に座って待っていた。昔の車だからテレビもないし、ラジオはもともと興味がなかった。待つ間、何もやることがなく、車の中をあちこちといじっていた。
車の灰皿を開けてみた。吸殻がいっぱい詰まっていた。妙に惹かれる香りに、ちょっと咥えてみた。火は点けていなかったが少し吸い込んでみると、少し苦味があって、なんだかそそられる。いけないこととはわかっていたが、私の興味はますます助長され、近くにあったマッチで火を点けてみた。
火を点けていないときに吸い込んだ勢いで、思いっきり吸ってみた。
モーレツな量の煙が一挙に喉と肺に流れ込み、咽び咳き込んだ。吸殻だった事もあって、口の中に広がった苦味は強烈だった。
「まずっ!」

思えば、あの時の経験が、私の喫煙への序章だった。
水泳の選手だった間は、当然タバコは吸わなかった。禁煙は選手にとって当たり前の事だが、私の現役当時は、日本のトップスイマーも、かなりの割合で喫煙していた。
そんな事もあってか、私は現役を引退したら、いつかタバコを思いっきり吸ってみたいと、喫煙への興味を心の奥底にしまってあったように思う。
現役を引退する頃から、大学の水泳部の先輩が吸っていた、セーラムライトというタバコを、時々ひとくちだけ吸わせてもらったりし始めた。そんな事を繰り返すうち、自分で買って、自分のペースで伸び伸びタバコを嗜んでみたいと思うようになった。

中学で親元を離れ、合宿所生活を始めた頃、かっこつけて自動販売機で、パッケージから一番かっこよく見えるタバコを買ったことがあった。キャビンマイルドというタバコだった。恐る恐る火をつけてはみたが、怖くて口の中で2〜3回ふかして捨てた。当時は水泳でチャンピオンを目指すのが、これからだというときだったので、酷く罪悪感を感じた。

大学3年の時、中学でタバコを買って以来、久しぶりに自分でタバコを買った。肩を壊し、実質水泳を引退していた。
買ったのは、1年の時に先輩に吸わせてもらった事のある、セーラムライトという種類だ。碑文谷公園のベンチに座り、少し緊張しながらタバコに火を点ける。メンソールのさわやかさと共に、タバコ独特の苦味が口に広がる。少し肺に入れてみる。じわっとした感触が肺に届き、頭がクラッっとしてくる。なんだか妙に気持ちがいい。もしかしたら麻薬などはこんな感じが続くのかもしれないと思った。
それ以来、完全に喫煙者となった。喫煙して20年以上経ってしまった。私の肺は、今どんな風になっているのだろうか。写真でみるように、真っ黒なのか。肺が硬くなり、肺年齢100歳とかなっていたりして。恐怖だ。
何故こんな物を人類は作ったのだろうか。なければ中毒患者になる事もなかったのに。
ロスチャイルド家イルミナティの地球人口削減計画か?

1年前、禁煙にチャレンジしたことがあった。およそ1ヶ月は吸わなかった。必死に我慢したが、飲んだ席で、久しぶりに少しだけ吸ってみようと思ったことが、禁煙失敗となるきっかけになった。
やめる前まではセーラムライトだったのだが、禁煙失敗後、もっときついタバコを吸うようになってしまった。なんだか減量のリバウンドみたいな感じだ。

8月4日午前0時から、私はタバコをやめることになりました。
友人から一緒にやめようと言うお誘いがあり、常々辞めたいと思っていた私はそれに参加する事になりました。一人ではキツイけど、みんなでなら我慢できるっていうことで。
でも、明日朝、禁煙外来に行こうと思っている。喫煙者は完全に中毒症状という病に冒された患者だ。だから治療しよう。

これからの私のブログは、「タバコ吸いたい!」ってコメントばかりになるかも。

1箱440円。1日1箱吸って、一ヶ月13,640円を、毒の煙に使ってきた。8月5日からはその経費が我が家から消える。

さあ!月14,000円の経費削減だ!