スマホ

長男がスイミングスクールの選手クラスに入って3週間めに入る。
半分以上は迎えついでに途中から見学している私だが、やっぱりあまりにも素人すぎる長男が、見ていてかわいそうになる。一緒に練習するコースの子供たちはみな小学生低学年。その中で必死についていく中学生。体の大きいお兄さんが自分たちよりかなり遅い選手という状態に、周りの小学生も戸惑っているかもしれない。改めて、長男を選手クラスに入れてくれた「JSS」さんには感謝の気持ちになる。

しかし、日曜日の休みを挟んでの月曜日、いつもはコースの一番後ろで泳ぎ、トップの子供に一周追いつかれていたほどだった彼が、10人ほどいる子供たちの中で、真ん中あたりの順位に位置し、インターバルをこなしているではないか。
まだスイミングスクールに通いだして間もない素人同然の長男。泳ぎも実にぎこちないし、バタ足の練習では、まったくついていけないのだ。
全然前に進まないバタ足。
その彼が、1人を追い越し、ひとつひとつ、インターバルの順番を上に上げている。最後は2番目まで上がった。
案の定、練習の帰り道、彼は妻に、
「ねえ、おかあさん、僕、少し速くなったみたい〜!」
と、嬉しそうに話した。
実質2週間程度で、泳ぎもそこそこ力強さが増した。ストロークが私の弟に良く似ている。
私の弟も、高校時代にはインターハイで準優勝し、インカレでは800mリレーで優勝したメンバーだ。少なくとも日本のトップクラスにいた選手だったわけだし、長男もそこそこいけるかな?
妻の話によると、彼は、平泳ぎが得意で、平泳ぎの選手になりたいと言っていたのに、いざ、選手クラスで練習し始めてみたら、だんだん成果が現れ、クロールの方が好きになってきたと言っているらしい。
いずれにしても、「一生懸命」がんばるというステージを、彼が獲得できた事に感謝したい。
もともとはあるセミナーで、私の心の中をシェアしてくれた方から得た刺激によって、我が息子との「水泳」というものとの向き合い方に、一種の気づきを得ることができた事、それから始まった変化が、長男のこのステージの獲得につながった。
何度も言うが、私は静かに期待したいし、静かに応援したい。

長男が生まれたときは、関節にアトピーの症状がひどく現れ、なかなか治る傾向がなく、妻は神経をすり減らし一時は食事も摂る事が出来ないほど悩み、痩せてしまった程だった。肛門周囲膿瘍が出来て、私たちの目の前で、赤子の長男の肛門の横を、医師がメスで切り裂いた時、「ギャアア〜〜〜〜〜ッツ」といって泣き叫んだ、あかんぼの長男。水遊びしていて転んで、後ろ頭をザックリ切った事もあった。さんざんハラハラさせられた長男。まだまだこれからだとはいえ、こうして練習している姿を見ていると、でかくなったなあ〜とつくづく感じる。

JSS富雄の選手クラスには、まだまだ小さな小学生低学年の子供たちが、選手クラスとして本当によくがんばって毎日練習している。うちの長男みたいに中学に入ってからでは、もうすでに遅いかもしれないが、小学生の小さな子供たちを見ると、本当に可愛い。きっと将来、強い選手になるだろうと、そう思わせられる。

物に釣って、水泳をがんばらせるのは良くないらしいが、長男は前から、スマートフォンが欲しくて欲しくてしょうがない。当然我が家では却下だが、長女は私の弟の甘さによって、中学時代から携帯を持っていた。それを見てきた長男。自分が持たせてもらえないのが不満でしょうがない。そこで、来年の夏の全国大会クラスの試合に出場できたら、スマホ持たせてやると、物で釣ってしまいました。

思えば私も、いつでもどこでも応援に来てくれる祖父に、ずいぶん物で釣られてがんばったっけな〜〜〜。

自分の息子が出場する、水泳の試合を観戦するなんて、そんなことが実現するんだなあ〜〜。

スマートフォンかあ〜・・・。

経費かかるなあ〜。