短い夏休み

バカンスという文化のない日本。
特にサラリーマンの世界にはそんな理念は存在しない。
それでもかろうじて日曜日から5日間、連続で休みを取る事が出来た。
途中一度、どうでもいいことで上司から電話が入ったが。


しかし夏は、5日間休みをとっても、【休む】というより、行事をこなす為の期間になってしまう。
水泳の試合、法事、コンクールなどなど・・・・・。


それでも珍しくて懐かしい後輩の登場から、今回の夏休みがスタートした。




私の子供たちの叔父にあたるのは、いわば私の弟の信彦。
子供達から『にいに』と呼ばれている。
彼は私の子供達から、私よりもずっと好かれている。
何かほしいものがあると、私に相談するより先に、信彦に相談する。
子供たちにとって『にいに』は、フランクに話が出来る少ない大人なのだ。
その信彦が、先週半ばに、我が家の下から3人の娘を、実家に拉致しに来ていた。
一晩我が家に泊まり、次の日、朝からゆっくり富士の田舎に向かう為だ。
そんな夜、珍しく、懐かしい後輩が我が家に訪れた。
【永田健二さん】である。
日本大学水泳部の後輩で、私と、信彦と、ともに彼は後輩にあたる。
同じ日本大学水泳部の合宿所で同じ釜の飯を食い、日本学生選手権の【天皇杯】の為に、長年努力した優秀な選手だった。
さらに彼は、私たち兄弟と出身が同じ静岡県であり、まさに同胞である。

彼の仕事は、土壌改良を可能にする魔法のような土を製造販売する仕事であり、今一番求められる場所は・・・・そう!東北の塩害にあった畑や、放射能の汚染された土地、土壌である。
しかし残念なことに、国や行政が、塩害の被害にあった土地の土壌改良や、放射能汚染された土地や土壌を、改良しようと踏み出していないので、彼の取り扱う有機土が、活躍できないでいるのだ。

最近は少し、彼の役に立てないかと、考え始めている。


その晩は健二も我が家に泊まり、次の日、朝私の出勤とともに、天理に出かけた。
日中、私の仕事中に、娘たち、下から3人は、富士の田舎に向かっていった。



次の日。
朝から長男が水泳の合宿に、鳥取県へ出かけた。

徹底的に泳ぎこむらしいので、きっとバテバテになって帰ってくることだろう。

かくして我が家は長女だけになった。





丁度私も休みに入ったので、長女と妻と、3人で京都へ。



京都も色々だ。
金閣寺清水寺、三十三件堂、平等院・・・・・。
そしてなんとこの日、Facebookのアップを見て、京都の宇治にお住まいの、日本大学水泳部の先輩である、小山先輩にお会いすることが出来た。
そしてなんと、同じ世代の同志社大学水泳部の、1980年代の努力しない天才こと、柳生さんが、平等院のすぐそばで、お店を経営されていることがわかったのだ。
小山先輩と、柳生さんのお店、【あづま屋】さんで待ち合わせ。
妻と長女は、宇治のおいしい抹茶いっぱいの、抹茶パフェやケーキなどをご馳走になった。

先輩たちは、全然変っていないし、やっぱり時間がたっても尊敬しちゃう。




そして夜は、3人で外食。

食後に撮影〜。



次の日は大阪海遊館へ。
久しぶりの水族館に興奮。
サンタマリア号なる怪しい船で、大阪南港の、きったない海を回遊クルーズ。
見えるあたりの景色は工業地帯。

下の子たちがいないと本当に静か。
落ち着いて観光して、ゆっくりと食事できる。

しかしと言いつつ、長女はすでに、
『みんな早く帰ってこないかなあ〜〜』
と、さびしがっている。
妻も、うるさいガキどもがいなくて、清々しているかと思いきや、少しさびしそう。

静かな食事。







そして長男、『強太郎』が合宿から帰ってきた。
帰ってきたと思いきや、次の日は奈良県大会。
ガンガンに泳ぎこみ、疲れはピークの中、100mのレースに出場。

泳ぎにまったくキレがない。
(こらあかんな。)
私のようなプロにはすぐわかる長男のコンディション。
(今日はもう無理だな)
すべてがわかったものの、ベストを尽くせるように、様々なアドバイス
しかし本人、腕も脚もパンパンで、思うように体が動かない。
そりゃあそうだ。
普段の4倍くらい泳ぎこんできたんだから。
しかし本人は狙っていたタイムと、次のレベルの大会に出場できない結果に、悔しくて男泣き。


(ほお〜。こいつはもうレースで悔し泣きするまでに成長したのか〜)

マチュアスポーツで悔し泣きができるようになるなんて、もう立派な選手としての人格が形成されている証拠じゃないか。
精神的成長が早いな。
俺に似たわけじゃなさそうだな。こりゃあ妻に似たんだろう。
私はアマチュアスポーツ時代、一度も悔し泣きをしたことがないから。



私は後にも先にも、涙を流したのは一度だけ。
日本学生選手権の男子800mリレーで、早稲田大学に勝利し、同時にインカレ総合優勝を勝ち取り、天皇杯を獲得した時だけである。
一度だけ流した、うれし泣きの涙だ。



しかし長男は、昨年から大きな飛躍をした。
昨年の夏には今回の大会にも出場できないレベルであった。
また、ベストタイムの更新は、驚異的なスピードである。
それで十分だ。よくやった。




長男と長女と妻と4人で、下の子たち3人の待つ田舎に向かう。
法事を済ませ、久しぶりに井之頭の鱒割烹料理を食べに行った。




そして最後は長女の声楽コンクール。
子供より緊張する親。

実際の歌声は、フェイスブックで聞いてね。

親バカと言われるだろうけど、すげえ歌うめえ〜!
声がスゲエ響く。

経費かかっている意味が少しわかってきたような気がする。

子供には金は残せないが、教育と文化は残せそうだ。