国旗掲揚
土曜日に末っ子の幼稚園の運動会があった。
我が家は、私たち夫婦はもちろん、長男と、次女、三女の合わせて5人が運動会の準備と、交通整理などのお手伝いに参加。9時半からの開会前、8時過ぎには会場に入り、車の誘導などを経て、いよいよ開会式となった。
幼稚園の運動会だが、地元の中学校のグランドを借りての開催。それぞれの両親やおじいちゃんやおばあちゃんも大勢応援に駆けつけ、大賑わいの運動会になりそうな予感。
会場はわいわいとにぎやかだった。
開会式の時、幼稚園には珍しく、【国旗掲揚】があり、国旗を掲揚しながら国歌である、【君が代】が流れた。
司会者が特別何も言わず、唐突に君が代が流れ、国旗の日の丸の旗が、ポールを上り始めた。
地面にシートをひいて座っていた観覧席にいた私は、その時自然に、国旗の方を向いて立ち上がった。
何気なくそこにいた3人の我が家の子どもたちにも、
『おい!こら!立ち上がって国旗の方を向きなさい!』
と声をかけ、子供たちも、(ん?そんなもんなのか?)てな顔して、でも素直に従い、立って国旗の方を向く。
君が代が流れる中、誰も声を出して謳わない運動場に、私は正直違和感を覚えながら、少し小さな声で、あまり場違いにならない程度に声を出して歌った。
周りの父兄や祖父母は、誰一人として立ち上がっていない。
君が代も歌っていない。
開会式の司会者が、
「国歌斉唱!」
と言っていないからか、はたまた、国旗にも国歌にも興味がないのか。
私は子供たちに声を出して歌うようには強制指導しなかったが、国旗掲揚が終わったあと、私は子供たちに、声をかけた。
『あのなあおまえら。国旗が掲揚されたら、そっちを向いて気をつけして立つんだよ。国歌が流れても同じ事だ。ぼけっと座ってんじゃない!国歌が流れたらちゃんと声だして歌わなきゃだめじゃないか!』
と注意した。
その時、妙な視線を感じ、横を見ると、60歳くらいだろうか、きっとお孫さんの応援にでも来たかと思われる初老の男性が、シートにデンと座ったまま、私を奇妙な目で睨んでいる。
よっぽど、
「なにか?」
と聞こうかと思ったが、その初老の男性はどうやら、私が自分の子供たちに、
【国歌が流れたら起立せよ!】
【国旗掲揚の時はそちらを向いて立て!】
【国歌が流れたら声を出して歌え!】
と、父親として教育している事が、気に入らなかったようなのだ。
物凄く不満そうな、怪訝な顔をして、私を見続けている。
団塊の世代と言うやつだ。
戦中には戦争を知らず、戦後にアメリカ万歳、日本軍は悪!と、そう教えられ、完全にGHQの洗脳、プロパガンダに汚染された思考を持つ世代。
自虐史観で、いまでは国旗、国歌にさえも、誇りを失ってしまった悲しい世代。
実力よりも、年齢と勤続年数で給料が上がり、日本の経済発展を自分たちの力だと思い込んでしまった世代。
大東亜戦争を第二次世界大戦と呼び、日本の為に命を落した、自分の祖父の世代を貶める史観に染まった、売国奴史観の世代。
わりと若い私が子供たちに、日本の国旗に敬意を表し、日本の国歌に敬意を示すよう指導した事を、その男性は、他人であっても気に入らないようだ。
何か言ってくるかと思って、言ってきたら徹底的に議論して論破してやろうと思っていたが、何も言ってこない。
ただ不機嫌な顔をして睨んでいる。
そも物凄く気持ち悪い態度に、私はいよいよ憤慨。
「あの、何か?」
と質問してみた。
・・・・・・・・・。
シカトしやがった。(爆)
こっちを見たまま何も言わないで、ついに目をそらした。
それなら睨んだりしなきゃいいのに。
そこで大人気ない私。
長男に一言。
『いいか。自分の住んでいる国の国旗や、国歌に、ましてや戦争に行って、未来の俺達の為に死んでいった兵隊さんに、敬意を表し、感謝できないような人間には、絶対になったらだめだぞ。そういうやつらが、今の日本を、こんな情けない国にしちゃったんだからな!』
と言ってしっかりと教育。
おっさんに聴こえる様に。
すると、
『ビャコ〜〜〜〜〜〜ッ』
っとこっちを向いて睨んできました。
思わずふきだしてしまった私でした。
へんな勇気のある初老の爺さん。
なんか文句あるならはっきり言えっての。
情けねえ。人生では大先輩だが、人間としては尊敬できねえ。
まったく。
ひっぱたいたろか。後ろあたま。