最悪な週


先週は部下を送り出した。

転勤である。

かわいいやつだった。

少し嫌な事があるとすぐに酒に逃げる私に、いつも付き合ってくれた、私と同じ酒好きの、私と同じ馬鹿な男だった。

2年前に面接して、1人、お目にかなったいいやつがいて、その対象的な性格だからっていう理由で採用したやつだった。

お互い格闘技が好きで、たまにキックのスパーリングして、ボコボコに殴りあった。

手が短く、短足の、こいつのパンチもキックは、私には当たらなかったが。

いつも部下を転勤させる時には、なんだか自分の肉体の一部を、引き剥がされるような気分になって、どこかが痛む。

ズキズキ・・・・ズキズキ・・・・・。

今まで私は、どこの責任者をやっても、どの部署を担当しても、誰か、社員を転勤で私のところにくれ!などと、言った事は一度もない。

すでに一定の能力をもった社員を、どこかの部署やどこかの責任者からもらえれば、こんなに楽な事はない。

育てる苦労が必要ないなんて、責任者としては最高だろう。

私は、自分の責任者としての仕事の範囲を、誰かが育てた部下をいい所どりで使って、それで成しえるなんて、嫌だから・・・・・。
だから、一度も人材を『くれ』と言った事はない。
必要なら自分で育てた。

すでに人がいて、育っていない場合なら、徹底的に指導して、毎日何時間も議論して、実際にやって見せて、歴史を積み重ねて信頼を積上げて、そして育ててきた。
とても優秀な部下が育ってくれた。

そうやって育てても、人材が不足したり、退職者が出て困ったところがあると、いつも私のところがターゲットになる。

浜松にいた頃も何度も摂られた。

ここでも何度も摂られた。

それでもそれをきっかけに、大いに出世させてもらえればまだ良いが、他から人を欲しがる上長ほど、部下を昇級昇格させる手続きをめんどくさがり、いいように使っているケースが多い気がする。


何度もそういうケースを見てきた。


今回がそんなことにならないことを祈る。

幸い今回彼を出した先の責任者は、私の同期。

少ない出世男だから、きっと何とかしてくれると信じたい。

貰った以上、しっかりと面倒見て、ちゃんと育てて欲しい。



もう少し暑くなって来たら、新卒の少し気の優しい若者が私の部署にやってくる。
我社の人事部長たっての推薦で、この気の優しそうな若者は、私の部署へ!という事らしい。

そりゃあ責任重大だぞい!

そういうときに限って失敗しそう・・・・。


我社の人事部長は、その立場上、けっして甘いことは言わないが、実は赴任先のチョイスなどにおいて、人事部長なりに深く考えて、本人の特性や性質を極力考慮しようと、そういいう風に考えてくれる所がある。

ぶっちゃけ好きな人。

我社では中々少ない、私の好きな仲間だと思っている。

そんな人事部だから、我社はまだまだいい会社なのだろうと思う。














今週改めて、我社は本当にいい会社なんだなあと感じる出来事が続いている。
色々問題もあるが、我社の社員はまだまだ恵まれている方だ。
創業家の人格が違う。









今週、ひっどい世界を久しぶりに味わった。
完全な【族】(やから)のような、それでいて妙に金儲けの上手い、でもむしろ、金以外に何の魅力もないような、たちの悪い、介護という弱者の業界世界で大儲けし、高級車乗り回す男と・・・・・、
それをひたすら自身の保身の為に、必死でかばう、まさにサラリーマンの鑑のような男たちの、物語に巻き込まれ、心底ビビッた。
あまりにも社風の違う世界。


先週の土曜日から、ずっとそのことで、大の大人が何人も振り回されている。

もうほっときゃいいのに、雇われている人間達の習性が、これを必死に収めようとする。

どうせ収まらないのに。

賊のようなこの人間、何をどう言ったって、自分の計画通りに周りをコントロールできるまでは、どうせ引かないのに。




私と同じ苗字の、有名なその筋の世界の人に、俗に言う、【なんくせをつける】というプロの仕事を見たことがある。

たとえばなんでもいいが、とにかく相手の服や髪型、目つきや声、なんでもいいから、自分に【なんくせ】を付けて来るのだ。

金を巻き上げる為。

立場を良くする為。

形勢を逆転する為。

相手を攻撃する為。

常に優位に立つ為。

喧嘩を吹っかける為。

先に相手に暴力を振るわせる為。


色んな理由があるが、とにかく相手をビビらせ、時に怒らせ、暴力的で詐欺的な言葉を並べて、相手を引きずり込むのだ。

昨日まで、同じ仲間としてやっていた部下、あるいは友を、金の切れ目が縁の切れ目と、徹底的に潰しにかかる、この【京都人】。

私の知っている京都の人とは恐ろしいまでに違う。




自身の吐いた言葉を棚に上げ、影で恐ろしいまでに不在の者を落し入れる。


その場に居合わせ、私も【なんくせ】つけられまくって、敵の片棒担いだように言われ続け・・・・・。

とにかく仕方がないから謝るしかねえってな状況に・・・・・。



お客様は神さまだ。それは雇われ人の世界の話。

それが日本の経済社会の実態。

でもやつは別にそのくらいで収まるやつじゃない。

やつが損した金額で言えばたった3,000円くらい。

立場を無くしたとはいえない。

すでに周りは物凄い配慮しているし。

むしろ、圧倒的立場を再確認し、大勢の男たちにマスかいてもらって逝きっぱなしだろう。

こういう【なんくせ】で有名な人物だって。

小物伝説もいっぱいあるって言うけれど、でも金があるやつは結局強い。

こうして社会はますます汚れていくのだろう。








世の中にはこんなダメな人間もいる。








我社の創業者を見せたいと思う。
社員の幸せを第一に考える人格者だ。

私の先輩だって、ビジネスに成功して、大金持ちでも、それに見合った人格者ばかりだ。







しかし金儲けが上手いからといって、少し小金稼ぐのが上手いからといって、口の利き方もろくに知らないような、ただのエセ893みたいな野郎は解せん。

あんな店、海に沈めばいい。